外壁塗装の手抜き工事の施工事例19つ!原因や防ぎ方も紹介!

本来はあってはならないことですが、外壁塗装で手抜き工事をされてしまったという声を聞くことがあります。しかし、外壁塗装の手抜き工事と聞いても、いまいちピンとこない人も多いかもしれません。

 

「外壁塗装で、手抜き工事をされるとどうなるの?」「手抜き工事をされてしまったらどうすればいいの?」と疑問を持つ人もいるでしょう。

 

そこで今回の記事では、外壁の手抜き工事の施工事例、対処法を詳しく解説します。外壁塗装の手抜き工事を防ぐ方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

外壁塗装の手抜き工事で外壁に起こりうる症状

外壁塗装の手抜き工事をされてしまうと、通常は10年ごとでよい外壁塗装のメンテナンスが、数年でダメになってしまう恐れがあります。

 

塗膜の剥がれ、膨れが3年以内に起こってしまう可能性も捨てきれません。施工不良により、チョーキング現象やひび割れなどが起こることもあります。

 

その他にも、住宅の構造体を保護する外壁の機能が低下してしまうかもしれません。一年中紫外線を浴び、雨風にさらされている外壁からしてみると、保護機能の低下はリスクを抱えた状況です。

 

外壁の耐久性を持続させるためにも、塗装工事では手抜きをしない業者を選ぶことが重要です。

外壁塗装の手抜き工事の施工事例

では、実際にどのような形で手抜き工事が行われてしまうのでしょうか。外壁塗装では、養生や足場、下地処理や塗料の塗り方などで、手抜き工事が発生してしまうことがあります。

 

ここでは、外壁塗装の手抜き工事の施工事例について詳しく見ていきましょう。

1:養生が雑

手抜きされると、養生が雑になっている場合があります。養生とは、塗装を行わない部分や塗料が飛び散ってその他の部分についてしまうのを防ぐために、ビニールテープや養生材を使って保護することをいいます。

 

養生には資材費や手間がかかるため、手抜きをする業者も少なくありません。特に、足場の飛散防止ネットが雑にかかっていたり、窓やフード全体の養生が雑だったりするケースがよくみられます。

 

養生が雑な業者は、塗装に対する意識も低い恐れがあるため、塗装工事も雑に行われてしまう恐れがあります。

 

また、養生がきちんと行われていないと、隣家や花壇、車に外壁塗料が飛び散ってしまい、思わぬトラブルを招いてしまうこともあるでしょう。

 

2:簡易的な足場で作業している

外壁塗装では、簡易的な足場で作業するという手抜きが行われることがあります。簡易的な足場とは、鉄パイプをつなぎあわせただけの単管足場というものです。

 

単管足場は耐久性が低く、職人が丁寧かつ安全に作業できません。しかし、施工コストを抑えるために、単管足場を使う悪徳業者もいるため注意が必要です。

 

単管足場での高所作業は、労働安全衛生法で禁止されています。足場の費用相場は、見積もり総額の2030%が目安です。費用相場より安い場合は、足場の種類を確認しましょう。

 

3:安全対策しない

必要な安全対策をしない、という手抜きを行う業者もいます。生活道路に面している部分を建築工事で使う際は、警備員とカラーコーン、バリケードなどの配置が必要です。

 

また、公道に面している建物に足場を設置するときには、道路使用許可を警察に取らなければならないと法律で定められています。

 

使用許可を得て安全対策を講じなければ、自動車が足場に接触したり、不審者が登ったりするトラブルの原因になってしまうためです。

 

4:もとからあるひび割れを補修しない

手抜き工事には、もとからあるひび割れを補修しないという事例もあります。ひび割れを補修してから外壁塗装を行わないと、塗装後にひびが浮き出てしまう可能性があるため、注意が必要です。

 

雨水がひび割れに侵入してしまうと、雨漏りや構造体内部の侵食が起こってしまう恐れがあります。腐食が進むとシロアリの発生が起こる可能性も捨てきれません。

 

外壁にひび割れがある場合は、必ず補修してから塗装工事をしてもらいましょう。

 

5:コーキングの処理が甘い

外壁の手抜き工事には、コーキングの処理が甘いというのがあります。コーキングとは、サイディングとサイディングの間に使われる伸縮性の目地材のことです。

 

コーキングの処理が不適切な場合は、雨漏り被害が起こる可能性があり見た目も悪くなってしまいます。

 

外壁塗装では、元々あるコーキングを剥がして打ち替えるのが一般的ですが、打ち替えでなく増し打ちを行っていたら、手抜き工事を疑いましょう。

 

また、コーキング剤を塗るときにはサイディング部分に付着しないようマスキングテープで養生するのが一般的です。

 

マスキングテープを利用しておらず、施工後にコーキング剤がはみ出ている場合も手抜き工事と言えるでしょう。また悪徳業者の場合、コーキング剤が途中から散布されていないことも少なくありません。

 

雨漏り被害を防ぎ、仕上がりの美しさを保つためにもコーキング処理で手抜きをしていないかを見極めましょう。

 

6:塗装前の洗浄を適当にする

外壁塗装では、塗装前に高圧洗浄機で洗い乾燥させるのが一般的です。しかし、悪徳業者の中には洗浄しないで塗装工事を行うケースもあるため注意しましょう。

 

もともと外壁に付着した汚れやゴミを取り除けないと、塗料の密着力が低下し塗膜の膨れや破れにつながってしまいます。

 

必ず見積書にも高圧洗浄の項目があるか、高圧洗浄機を使って洗浄を行うかを確認しましょう。

 

7:下地処理をしない

外壁塗装では、下地処理を行わないという手抜き工事が行われることもあります。下地処理とは、外壁のひび割れや欠けを補修する作業のことです。

 

また、外壁についたサビや汚れを落とすケレンという作業を行うのが一般的です。下地の調整や処理を行わなければ、その上から塗装をしても剥がれやすくなってしまうため、非常に重要な作業だといえます。

 

下地処理が適切に行われていないと、数年後に再塗装が必要になったりひびが浮き出てしまったりする可能性があるため注意が必要です。

 

8:専用の下塗り材を使用しない

専用の下塗り材を使用しないという手抜き工事を行う悪徳業者もいます。通常は使用する塗料メーカーが推奨している専用の下塗り剤を使います。

 

しかし、安価な下塗り材を使用して材料費を安く抑えようとする業者もいるため注意しましょう。

 

専用の下地材を使わなければ数年経たないうちに塗料が剥がれるリスクがあるため、決して軽視できません。

9:3回塗装をしない

外壁塗装では、下塗り、中塗り、上塗りの3回塗るのが一般的です。しかし、中には3回塗装をしないという手抜きを行う業者もいるため注意しましょう。

 

業者が工期を短くしたい、または塗料代を削減するために行っている恐れがあります。外壁を塗る回数が少ないと、塗膜に十分な厚みが出ず塗装工事後の耐久性が低下してしまいます。

 

塗料メーカーが提示する耐久年数よりも前に劣化が起こる可能性があるため、注意が必要です。

 

ただし、塗料によっては2回で完了する塗料もあります。業者に正しい塗回数を確認してみましょう。

10:見積もり時の塗料を使わない

 外壁塗装では、見積もり時とは違う塗料を使うという手抜き工事をする場合があります。契約した内容と違う、もっと安い塗料を使って塗装しようとするというものです。

 

塗装工事中は自宅を留守にしている方も少なくありませんし、在宅中でもずっと工事を見張っているわけにはいきません。依頼者の目を盗んで違う塗料を使う業者もいるため注意が必要です。

 

業者の手抜きを見抜くためには現場に搬入された塗料缶を見て、記載されている名称やメーカーが見積書とあっているかを確認しましょう。

 

11:塗料を薄めて使用

塗料を薄めて使用するという手抜きを行う業者もいます。外壁塗装に使われる塗料は、水性塗料であれば水で、油性塗料はシンナーで希釈しますが、塗料ごとに希釈率が定められています。

 

手抜きをしてきちんと塗料の計測を行わなかったり、材料費を削減するために希釈率を守らない悪徳業者もいたりするため注意が必要です。

 

希釈率を守らないと薄い塗料で外壁が塗られてしまい、決められた耐用年数を保つことができず劣化症状を招いてしまいます。

 

12:塗料ごとの指定の乾燥時間を守らない

塗料ごとの指定の乾燥期間を守らないという手抜き工事の例もあります。塗料をきちんと乾かさないまま次の工程に行ってしまうと、塗料の密着性が弱まってしまうため要注意です。

 

また、塗膜の膨れやひび割れの原因となってしまいます。塗料によっても差はありますが、通常は1回塗りと2回塗り、2回塗りと3回塗りの間で、28時間ほどの乾燥時間が必要です。

 

なお、1日で全工程が終わることはないため、実際にかかった工事期間を確認しておくとよいでしょう。

13:雨天でも塗装する

外壁塗装の手抜き工事では、雨天でも塗装するという手抜きが行われることもあります。降雨時の作業や湿度85%以上の日の作業は、基本的には禁止されています。

 

塗装面が埃だらけになる、塗膜が弱くなり、寿命より早く劣化が起きることが予想されるためです。

 

原則として塗装工事は、天気の良い日に工事するものです。手抜き工事を行う業者は、工事を早く終わらせようと雨の日でも施工を行っていると考えられます。

 

もし雨の日に作業を行っていたら、施工が正しいかどうかを業者に確認しましょう。

14:塗り残しや塗料のはみ出しがある

手抜き工事をされると、塗残しや塗料のはみ出しがあることがあります。仕上げが汚くなってしまうのは、塗装の前に養生用のマスキングテープを使わなかったことが原因です。

 

また、マスキングテープを使用していても雑な付け方では仕上げが汚くなってしまいます。エアコンの配管カバーの後ろ側や、外部フードの周辺、雨樋など、細かい塗り残しがある可能性も考えられます。

 

作業が雑な業者は、2色以上の塗分けを行った場合塗分けた部分が汚くなってしまうことも少なくありません。

 

せっかくおしゃれな外観になると期待していたのに、仕上がりが汚いとがっかりしてしまうでしょう。できるだけ作業が丁寧で確実に行う業者を選ぶことが大切です。

 

15:現場管理者不在のまま工事する

現場管理者または営業担当者が全く現場にこないまま工事が進んでいる場合は注意が必要です。外壁塗装工事は、足場職人、塗装職人など、複数の作業者が出入りします。

 

現場を統括する管理者が不在のままでは、契約範囲内の工事内容が守られないなどのトラブルの原因につながってしまいます。

 

現場管理者の目が行き届いているか、契約内容が職人の施工に反映されているかどうかを確認しましょう。

 

16:人数が適切でない

施工に入る人数が少ないことも、外壁の手抜き工事につながるため注意が必要です。足場の設置や塗装工事で、適切な人数を確保していない可能性があります。

 

外壁塗装の人件費は全体の費用の4050%を占めるため、費用削減をして利益を出そうとしているのでしょう。施工工程ごとの一般的な人数は以下を目安にしてください。

 

  • 足場設置……3
  • 高圧洗浄……1
  • 下地処理…25
  • 養生…12
  • 塗装…6
  • 足場解体23人(工事の人件費に含まれないことが多い)

 

現場の人数が少ないと思ったときには、施工業者に確認してみましょう。

外壁塗装で手抜き工事をされてしまったときの対処法

外壁塗装で手抜き工事をされてしまったときには直接施工業者に連絡するか、第三者機関に相談する方法があります。

 

ここでは、外壁塗装工事の手抜きに気づいたときに取るべき行動について詳しく解説します。

業者にやり直しを依頼する

手抜き工事に気づいたときには、まず施工業者にやり直しを依頼しましょう。見積もりに記載されている工事がまだ行われていないと思ったら指摘することが大切です。

 

業者によっては、工事の清算が終わった時点で逃げ出してしまうこともあります。工事の清算をする前に伝えてください。

 

「見積もりには3回塗りとあるのに、2回塗りで終わっているので、やり直してください」「北側の外壁部分がきれいになっていないので、塗り直してください」などと、明確に伝えましょう。

外部の機関に相談をする

外壁塗装工事は、数年経ってから剥がれに気づいて手抜き工事だったとわかることがあります。工事から数年後だった場合でも、優良業者であれば対応してくれることもあるでしょう。

 

しかし、直接業者に連絡しても解決しない場合や、施工した業者と連絡がつかない場合は、外部機関に相談してください。

 

「住宅リフォーム紛争処理支援センター」や「独立行政法人国民生活センター」は無料で相談が可能です。場合によっては、建築工事に関する専門家も紹介してくれます。

外壁塗装の手抜き工事の防ぎ方

ここでは、手抜き工事の防ぎ方を詳しく紹介します。

優良な業者を選ぶ

まず、外壁塗装の手抜き工事を防ぐには優良な業者を選ぶことが大切です。優良な業者は、工事前の現場調査で見分けることができます。

 

劣化状況は、10分や30分程度で住宅の周りを回って目で見るだけでは判別が難しいものです。

 

屋根の点検では実際に上ったり、ドローンや高所カメラを使ったりして下から眺めるだけでは分からない部分まで調べる必要があることも考えられます。

 

そのため劣化状況の点検にしっかりと時間をかける業者を選ぶことをおすすめします。

 

また、「今日、契約すれば〇〇万円値引きするなど」契約を急ぐ訪問販売は悪徳業者である可能性が考えられます。怪しいと思ったら即決せずに契約を見送りましょう。

 

優良業者を選ぶには口コミをチェックしてみましょう。。なお、業者のホームページを閲覧するときには、塗装技能士や塗装工事業の建設業許可証を持っていることなども確認するとよいでしょう。


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相場を知っておく

手抜き工事をされないためには、外壁塗装工事の相場を知っておくことも重要です。業者から見積もりを受け取ったら、塗料の値段や、各々の工事の価格が、適正かどうかを見極めましょう。

 

また、見積書に書かれている塗料メーカーが、大手メーカーの塗料など、品質に問題のない塗料かどうかも確認しておくと良いでしょう。


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詳細な説明を受ける

手抜き工事を防ぐためには、外壁塗装業者に詳細な説明を聞いておきましょう。自分が外壁工事に関して素人だとしても、詳しい内容を理解せず納得しないまま契約してしまうのはNGです。

 

工事の施工工程や内容に関して、納得できるまで説明をしてもらってから契約へと進みましょう。何社かの見積もりを取ったとしても、価格だけを比較して選ばないことが大切です。

 

外壁塗装業者の対応をよく見極めて、信頼できる業者かどうかを判断しましょう。

詳細な見積もりをもらう

手抜き工事をされないためには、詳細な見積もりをもらいましょう。作業内容、塗料の種類、塗り回数など、それぞれに詳細な金額が明記されていることが大切です。

 

見積もりに書かれている内容が大雑把だった場合は、内容を明記してもらいましょう。

 

もし、手抜き工事をみつけて指摘したとしても「そんな工事を行うことは見積もりにも契約書にも書かれていません」と、言い逃れをされてしまっては大変です。

 

必ず工事内容が詳しく書かれている見積書をもらって、契約へと進みましょう。


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塗装工事の進行具合を把握しておく

手抜き工事を防ぐためには、塗装工事の進行具合を把握しておくことも大切です。業者に任せてしまうと、気づかれないからと手抜き工事になってしまうことがあります。

 

作業報告をもらったり、塗料の空き缶の写真を撮ってもらったりするように伝えておきましょう。現場に足を運べない場合は、途中経過を写真に残してもらうことも大切です。

 

瑕疵保険を理解しておく

手抜き工事を防ぐには、瑕疵保険を理解しておくことも大切です。工事してから10年以内に不具合が見つかった場合には、基本的には無償で補修してもらえるケースが多く見られます。「品確法」という法律があるためです。

 

瑕疵保険やアフターメンテナンスについても、しっかり説明してくれる業者を選びましょう。

外壁塗装の手抜き工事を回避しよう

外壁塗装の手抜き工事には、足場が不適切である、塗料を薄めて使用するなど、さまざまな事例があります。

 

外壁工事の最中、業者の不手際を探すためにずっと現場を見張っていることは現実的ではないため信頼できる業者を選ぶことが大切です。

 

万が一手抜き工事をされてしまった場合は、業者にやり直しを依頼する、外部の第三者機関に相談するなどの方法を検討しましょう。

 

手抜き工事を防ぐためには、外壁塗装について事前に知識を得て見積もりや工事中の進行が適切かどうかを知っておくことをおすすめします。

 
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