外壁塗装で光触媒塗料を使うメリットとデメリット!値段や耐用年数を紹介!

光触媒塗料は日光の働きで起こる反応が特徴です。塗料の名前にある「触媒」とは化学反応をうながす物質のことで、光触媒塗料に含まれている酸化チタンがこれに当たります。日光に当たることで、いくつかの化学反応を促進しています。

この記事では、光触媒塗料の持つメリット・デメリットや、他の塗料との比較などを解説します。


光触媒塗料による外壁塗装を検討している人はぜひ読んでみてください。

外壁塗装で光触媒塗料を使うメリットとデメリット

 

光に当てることで様々なメリットを発揮する光触媒塗料ですが、その一方で、デメリットもあわせ持っています。メリットとデメリットの両方を把握した上で使う塗料を決めましょう。

光触媒塗料のメリット

光触媒塗料のメリットは、「自浄作用があること」「耐久性が高いこと」「空気清浄機能を持つこと」の3つです。

 

いずれも光による反応のため、光触媒塗料は日光をふんだんに浴びる外壁で存分にメリットを発揮します。

自浄効果がある

汚れにくい外壁を求めている人には、光触媒塗料はおすすめです。

 

光触媒塗料に含まれる酸化チタンは日光、特に紫外線に反応することで汚れの分解を促進する機能を持っています。外壁塗装に用いれば、ついた汚れは太陽光で分解され、雨水で流されやすくなるでしょう。

 

汚れた外壁は気になるけど高圧洗浄機やブラシでの掃除は面倒と考える人に、セルフクリーニング機能を持ち、きれいさを保ってくれる光触媒塗料は最適です。

耐久性が高い

外壁塗装の耐久性を重視して、できるだけ長持ちさせたいと考えているなら光触媒塗料はおすすめです。

 

壁塗装に使われる塗料の中でもトップクラスで、10〜20年の耐久性を持つのが光触媒塗料のメリットです。

 

光触媒塗料は紫外線と反応するだけでなく、紫外線に強いことも特徴です。これで実現したのが耐久性の高い塗膜で、人気となっているシリコン塗料の1.5〜2倍程度の耐久性を実現しています。

空気洗浄機能がある

環境への関心が高い人におすすめなのが光触媒塗料です。空気中の汚れや嫌な臭いを分解する空気清浄機能を持つことが、光触媒塗料のメリットだからです。

 

また光触媒塗料には抗ウイルスや抗菌、抗カビ機能も備わっており、屋内用の塗料としても注目を集めています。

光触媒塗料のデメリット

光触媒塗料の酸化チタンによるメリットは素晴らしいものですが、デメリットも数多くあります。

 

外壁塗装の塗料選びは、メリットとデメリットを比較した上で行いましょう。

色が限定される

光触媒塗料は総じて色目が白っぽいというデメリットがあります。

 

理由は主成分となる酸化チタンが白いからで、濃い色や鮮やかな色の光触媒塗料は作るのが難しいためです。そのため真っ黒や真っ赤な外壁でイメージチェンジを考えているなら、光触媒塗料は選べなくなります。

 

光触媒でビビッドな色を出すなら、濃い色目を塗ったのちに光触媒でコーティングする方法もありますが、使える塗料は限定されてしまうものです。色見にこだわりたい人には向いていません。

ひび割れやすい

形成される塗膜が硬すぎて表面がひび割れやすいのも、光触媒塗料のデメリットです。

 

できたひび割れのせいで、外壁の再塗装時期が早まる可能性があります。耐久性の高さを期待して割高な光触媒塗料を選んだのに、余計な費用がかかりかねません。

 

硬い塗膜を作る塗料が向かないのは、幹線道路や線路沿いなど振動が伝わりやすい立地です。塗膜が振動を吸収できずひび割れとなってあらわれるので、そういった立地の場合は柔らかく弾性の高い塗膜を作る塗料を選びましょう。

工期が長くなる

他の塗料にくらべると粘り気が少ないことから、扱いが難しいのが光触媒塗料です。職人さんが施工時にとまどい、工期が長くなる可能性があるデメリットがあります。

 

また光触媒塗料は乾燥に時間がかかります。乾燥時や好天時など施工時の気候条件が限られてしまうのも、工期が長引いてしまう理由です。

 

他にも通常の塗料の上に光触媒でコーティングする方法なら、塗りの回数が増えるだけ工期が長くなってしまいます。

値段が高い

コストパフォーマンスの高さから広く使われているのはシリコン塗料ですが、光触媒塗料の単価はその約1.5倍となります。塗料の単価の高さは外壁塗装の費用につながるので、大きなデメリットとなります。

 

あわせて上にもあるように、光触媒塗料を用いることは工期の長引きにつながります。工期が長引くだけ職人さんの工賃なども上がり、塗装費用が高くなってしまいます。

 

材料費や人件費など、総じて値段が高くなるでしょう。

不具合が多い

光触媒塗料はひび割れができやすいこと以外にもその他の不具合が多くなっています。

 

たとえば光触媒を得意とするメーカーTOTOの「ハイドロテクトコート」は、その特殊性から限られた業者しか用いることができませんでした。しかし規制が撤廃され様々な業者が用いることで、外壁の汚れが落ちない、色ムラが激しいといった様々な施工不良が起きてしまったのです。

 

光触媒塗料の不具合を防ぐには、業者選びにより慎重になる必要があります。

屋根の塗装には対応していない

光触媒塗料は屋根に用いることはできません。これにより、外壁と屋根の塗料を同じにして将来のメンテナンス時期を揃えることができなくなってしまいます。

 

屋根と外壁のメンテナンス時期をそろえるメリットは、高所作業用の足場代が1回分ですむことです。メンテナンス時期がずれることで、それぞれに足場代がかかってしまいます。

 

外壁を痛める

光触媒塗料の塗膜は雨水となじみやすいことが特徴です。これにより塗膜についた汚れが雨水で流れやすくなりますが、湿気も吸収しやすいので、外壁の下地が痛む可能性もあります。

 

一方で雨水となじみやすいことで、壁内にたまった湿気を放出する効果が高いことにもつながります。カビやシロアリなどの発生を抑えるため、デメリットばかりではありません。

 

ただ光触媒塗料を用いることで、外壁材の寿命が短くなるかもしれないことは意識しておきましょう。

汚れを分解する効果は限定的

無機質の汚れや強固な汚れは分解できないのが光触媒塗料です。すべての汚れを落とすわけではないことは、デメリットといえるでしょう。

 

無機質の汚れとはたとえばサビや火山灰、黄砂など、強固な汚れとは鳥の糞や樹液などを指します。

 

また光触媒は条件によっては働かないことがあるのもデメリットです。日当たりが悪い壁面や日差しが乏しい日が続くと、汚れの落ちが悪くなってしまうでしょう。

 

多大な期待を裏切るかもしれないのが光触媒塗料です。

光触媒塗料とその他塗料の特徴比較

ここからは光触媒塗料を他の塗料との比較をしていきます。

 

広く使われているシリコン塗料は、光触媒塗料とくらべると耐用年数の長さや汚れの落ちやすさで劣るものの、価格の高さやカラーバリエーションの豊富さで勝ります。コストパフォーマンスの高さで選ぶなら、シリコン塗料でしょう。

 

同様にコストパフォーマンスの高さではフッ素塗料にも注目です。

 

セラミック塗料は、耐用年数が光触媒よりやや長いメリットがありますが、価格の高さは同等です。遮熱・断熱という付加価値に魅力を感じるなら選ぶ価値があります。

 

無機塗料は光触媒塗料を上回る耐用年数がメリットですが、変わらない費用がかかります。汚れの落ちやすさを重視しないなら、無機塗料は光触媒塗料のライバルになります。

 

 

光触媒塗料

シリコン塗料

フッ素塗】

セラミック塗料

無機塗料

メリット

耐用年数は10~20年と長い

ついた汚れが落ちやすい

環境にやさしい

耐用年数は7~15年とそこそこ

コストパフォーマンスが高い

カラーバリエーションに富む

耐用年数がシリコン塗料より少し長い

コストパフォーマンスが高い

耐用年数が10~25年と非常に長い

断熱・遮熱効果が期待できる

耐用年数が10~25年と非常に長い

 

デメリット

コストが割高

施工が難しい

カラーバリエーションが乏しい

すべての汚れが落ちるわけではない

耐用年数が特別に長くない

塗膜が硬くひび割れができやすい

コストが割高

コストが割高

つや有の仕上がりになってしまう

 

光触媒塗料による外壁塗装が向いている人は?

ここからは光触媒塗料が向く人を解説していきます。光触媒塗料は多くのデメリットがありますが、メリットがそれを上回る魅力があると感じた人にはおすすめです。

外壁掃除の頻度を減らしたい人

外壁掃除の頻度を減らしたい人は、光触媒塗料がおすすめです。光触媒塗料と使って塗装することで、掃除の回数を減らしても長期間美しい状態を保つことができます。

 

とはいえ光触媒塗料の防汚性の高さに期待しすぎてはいけません。外壁に付く汚れには光触媒の効果がないものも多く、日当たりが悪ければ効果が見込めないのが光触媒塗料です。

 

光触媒塗料を用いれば、外壁掃除がまったく不要というわけではないことに注意してください。

白系のカラーで外壁塗装がしたい人

外壁を白系で塗装するつもりであれば、白系しかないという光触媒塗料のカラーバリエーションの乏しさは気にならないでしょう。

 

汚れが目立ちやすい白系の外壁のデメリットも、光触媒塗料の防汚性の高さがおぎなってくれるでしょう。

日当たりが良い物件に住んでいる人

日当たりが良い物件に住んでいる人は、光触媒塗料がおすすめです。光触媒塗料の汚れの落ちやすさは、日光の働きがあってのことだからです。

 

一方で光触媒塗料が向かないのは、家が密集しているような立地です。たとえば繁華街にあるような物件では、光触媒塗料の特性を活かすことができません。

光触媒塗料による外壁塗装の特徴をしっかり認識しよう

耐用年数の長さやセルフクリーニング機能など、光触媒塗料はメリットが多い一方で、価格の高さや施工の難しさなどデメリットも多いのが特徴です。

 

塗料選びはメリットとデメリットの両方の把握が必要ですが、特に気を付けたいのが光触媒塗料といえるでしょう。

 

また光触媒塗料を選ぶ前に行いたいのが、他の塗料との比較です。コストパフォーマンスの高さならシリコン塗料やフッ素塗料、耐用年数の長さならセラミック塗料や無機塗料が良い比較対象となるでしょう。

 
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