光触媒塗料の特徴と価格

光触媒は、酸化チタンが紫外線に当たって酸素や水と反応し、有機物質を二酸化炭素と水に分解する化学反応を指します。

光触媒塗料は、光触媒の化学反応を持ち合わせた塗料で、紫外線によって汚れを分解して雨水で流すことができます。これを「セルフクリーニング機能」と呼びます。

■光触媒塗料のメリット

●セルフクリーニング機能

光触媒塗料は、セルフクリーニング機能による防汚性能の高さが特徴です。

外壁は常に外気に晒されているため、ゴミや埃などの汚れが付着しやすいです。汚れは、美観を損ねるだけではなく外壁の劣化にも繋がります。

光触媒塗料は、セルフクリーニング機能によって、雨水で汚れを落とすことができるので、美観の保持と経年劣化に対して有効です。

●空気清浄機能

光触媒の化学反応は、空気を清浄する作用も持ち合わせているので、光触媒塗料を塗装すると建物の周りの空気をキレイにします。

●耐久年数が長い

光触媒塗料の耐久年数は、約20年で、無機塗料に次いで高耐久なグレードになります。但し、メーカー塗料の種類によっては、耐用年数が短い光触媒塗料も存在するので、注意が必要です。

■光触媒塗料のデメリット

●落とせない汚れがある

光触媒は、有機物質を分解する化学反応なので、錆びや火山灰などの無機物質の汚れを分解することはできません。また、鳥の糞などの頑固な汚れを落としきれない場合があります。

●立地条件によっては汚れが落ちない

光触媒塗料のセルフクリーニング機能は、紫外線で汚れを分解して雨で汚れを落とします。

紫外線は、多少の日当たりが悪い箇所でも降り注ぎますが、壁と壁の隙間が1メートル以下の狭い箇所になると、ほとんど降り注ぎませんそのため、汚れを分解することができないので、セルフクリーニング機能の効果が期待できません。

また、雨が当たらない箇所は、汚れを流すことができません。

●価格が高い

光触媒塗料は、無機塗料に次いで高いグレードの塗料で、施工単価も4,200~5,000円と高いです。そのため、1回の施工料金は高くなりますが、耐久年数が長いため、長期間で考えた場合は、耐久年数が短い塗料よりも施工回数が少なり、施工料金を抑えることができます。

●屋根用の塗料が無い

光触媒塗料は、外壁用の塗料しかなく、屋根には施工できません。

●色と艶の種類が少ない

光触媒塗料に含まれる酸化チタンは、白色顔料に含まれる物質なので、濃い色に調色することはできません。また、ツヤは5分ツヤとツヤ消ししかありません。

■光触媒塗料の施工単価(m2)はいくらくらいか?

光触媒塗料の施工単価は、3,800~5,000円程度が相場です。

■弊社で光触媒塗料を選ばれるお客様の割合


外壁塗装は、アクリル0%、ウレタン0%、シリコン10%、ラジカル制御20%、ガイナ(断熱)10%、フッソ30%、光触媒0%、無機30%。

屋根塗装は、アクリル0%、ウレタン0%、シリコン30%、ラジカル制御0%、ガイナ(断熱)10%、フッソ30%、光触媒0%、無機30%です。

■TOTOのハイドロテクトコートについて

TOTOのハイドロテクトコートは、TOTOエクセラが販売していた光触媒塗料で、2000年に発売されて以来、トップシェアを誇っていました。

しかし、不具合や品質が悪いなどのトラブルが相次ぎ、2017年で生産を中止しています。

■代表的な光触媒塗料

●エヌティオ(日本特殊塗料):平米単価3,500~3,800円

セルフクリーニング機能などに加えて、抗菌と脱臭機能を備えています。また、メーカーから施工認定された塗装業者でなければ施工を行うことができません。

●ピュアコートANプラス(ピアレックステクノロジーズ):平米単価3,500~4,000円

収縮率が330%あるので、柔軟性が高くヒビ割れに強い特徴があります。

■光触媒塗料に関するよくある質問

1.塗装が難しいと聞いたのですが、本当でしょうか?

光触媒塗料は、職人の技術力が無い場合は、ムラなどの施工不良が発生しやすい塗料です。

2.1度光触媒で塗装すると、次も光触媒で塗装しなきゃダメと聞いたのですが、本当でしょうか?

光触媒塗料は、汚れを落とす力が高いため、相性が悪い塗料で塗ると密着が悪くなり、剥がれなどの施工不良が発生します。

但し、下塗りの塗料を適切に施工することで、密着を高めることができるので、異なる塗料での施工は可能です。

3.最初から光触媒が塗装されている外壁材は塗装ができないと聞いたのですが、本当でしょうか?

下塗りの塗料を適切に施工すれば問題ありません。

 

 

■まとめ

光触媒塗料は、セルフクリーニングや空気清浄などの優れた機能を備えた塗料ですが、価格が高く立地によっては効果が発揮されません。

また、トップシェアであったTOTOのハイドロテクトコートが販売中止になるなど、施工が難しく実績が少ない塗料でもあります。

光触媒塗料を検討する際は、複数の経験が豊富な業者とよく相談して、施工を行うことをオススメします。

 
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