新築やリフォームでの外壁塗装に必要な工程・手順や日数とは?

外壁塗装はどのような工程で行われるのか、どれくらいの日数がかかるのか、詳しく知っている方は少ないでしょう。しかし外壁塗装を依頼する前には、工事の流れをきちんと理解しておくことが重要です。

 

この記事では、外壁塗装に必要な作業工程や日数について詳しく解説します。また、必ず覚えておきたい注意点についても合わせて紹介します。

 

外壁塗装を検討している方、どのような工程で進むのか知りたい方は、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

 

外壁塗装で実施される12の作業工程

外壁塗装は合計12の作業工程で構成されます。トラブルなく外壁工事を終えるためには、一つ一つの手順を丁寧に実施していくことが重要です。

 

ここでは、どのような工程で作業が進むのかを順番に解説します。

 

1.ご近所に外壁塗装する旨を伝える

外壁塗装を行う際は、まず初めにご近所さんへ挨拶することから始まります。

 

塗装工事は騒音や異臭などが発生する可能性があるため、あらかじめ了解を取っておくのが重要です。

 

ご近所へ何も知らせずに工事を開始してしまうと、「工事をするなんて知らなかった!」と文句を言われてしまうかもしれません。また、塗料が飛び散ってしまった場合や臭いがひどい場合、事前に周知させていなければトラブルにつながってしまいます。

 

円満に工事を進めるためには、1週間前までに外壁塗装する旨をご近所へ伝えます。伝えるべき内容は「工期」「時間」「曜日」です。挨拶回りの際、工程表や粗品を持っていくとなお良いでしょう。

 

2.足場を組み立てて作業スペースを確保する

建物の外壁工事を行うには、高い外壁面で作業するための足場が必要となります。足場とは、工事現場でよく目にする鉄でできた仮設作業スペースのことを指します。

 

足場の設置は専門業者に依頼するのが一般的です。費用相場は約30坪の建物で6〜10万円、工期はおおよそ1〜2日です。

 

足場を組み立てる際の注意点として、立ち入り場所と騒音があります。足場用の鉄パイプはトラックで運ばれてきます。そのため工事現場の近くに大型トラックが入れるような場所を確保しておかなければなりません。また、足場を組み立てる時は音が鳴り響いてしまいます。騒音がする旨を周囲にきちんと伝えておきましょう。

 

3.高圧洗浄を行い外壁の汚れを落とす

塗装する前の下準備として高圧洗浄を行います。高圧洗浄とは、強い圧力で壁に水を噴射し汚れ・ほこりを除去する作業です。外壁塗装を美しく仕上げるほか、塗料を剥がれにくくする効果もあり、施工前の必須工程となります。

 

通常は1日で終わる作業ですが、汚れがひどい場合は2日ほどかかる場合もあります。洗浄後は乾燥させる必要があるため、高圧洗浄にかかる期間は2〜3日を予定しておきましょう。

 

高圧洗浄を行う際は、周囲に水や汚れが飛び散ることもあります。建物の窓やドアは必ず閉めておき、洗濯物なども取り込んでおきましょう。また作業にはコンプレッサーを使用するため、大きい音が鳴り響くことも頭に入れておいてください。

 

4.壁面の下地処理を行う

塗装する前の下準備として最も重要なのが下地処理です。下地処理とは、錆やひび割れやなどの劣化部分を補修し平滑に整える作業です。下地処理をしっかり行わないと、塗装の仕上がりが悪くなってしまいます。

 

外壁の種類や劣化状況によって処理方法が異なります。一般的に処理を施す部分は「ひび割れ(クラック)」、「塗膜の剥離」、「コーキングの劣化」、「金属部分の錆」、「コンクリート・モルタルの補修」です。通常は1日程度で終わりますが、劣化が進んでいる場合は数日かかってしまうこともあります。

 

下地処理は塗装工事の土台となる重要な工程なので、できるだけ時間をかけて丁寧に作業してもらいましょう。あらかじめ劣化部分を確認しておき、きちんと処理されているかどうかをチェックすると安心です。

 

5.塗装しない部分を養生する

塗装作業前の最後の工程として養生を行います。養生とは、塗料の飛び散りなどを防ぐために塗装面以外をビニールシートで覆う作業のことです。

 

外壁塗装用の塗料は一度付着するとなかなか落ちません。周囲を汚さないためにも、しっかりと養生してもらいましょう。仕上がりの完成度にも影響してきます。

 

養生する部分は、外壁周りだけでなくエアコンの室外機や車なども含まれます。建物の規模にもよりますが、1日程度で作業は終了します。

 

注意点として、養生して欲しい部分をきちんと業者に伝えておきましょう。飛び散って欲しくない箇所をあいまいにしておくと、認識の違いによりトラブルを起こしてしまうかもしれません。

 

6.下塗りして壁面を平らにする

塗装工事は、下塗り・中塗り・上塗りの3工程で構成されます。まず第一ステップとして行うのが下塗りです。下塗りは、中塗りや上塗りの塗料をしっかりと密着させるための土台的な役割を果たします。

 

下塗りに使用する塗料は、外壁の種類によって最適なものを選びます。ウレタン、シリコン、フッ素などそれぞれ特徴やメリットが異なるため、業者と相談しながら決めていきましょう。

 

下塗りにかかる期間は通常1日です。アップリメイクでは下塗りを2回行うため、合計2日間かかります。下塗りは最終的な仕上がりに大きく影響する工程のため、少々時間がかかっても丁寧に行ってもらいましょう。

 

また、下塗りが終わった後はしっかりと乾燥させることも重要ポイントです。半乾きの状態で次の工程に進んでしまうと、見た目も耐久性も悪くなってしまいます。

 

7.作業工程に不備がないかチェックする

下塗りが終わったら、作業工程に不備がないかを確認する中間検査を行います。

 

中間検査を担当するのは、施工管理者や職長など経験豊富な監督者です。細かい部分までしっかりとチェックをして、中塗り・上塗りの工程へ進んでいいのかをプロの目線で判断します。また、自分自身でも塗り漏れや剥がれなどがないかを見ておくと良いでしょう。作業は半日〜1日程度で終了します。

 

初期不良や壁面の剥がれといったトラブルを防ぐために、中間検査は大切なステップです。万が一、見積書に中間検査が含まれていない場合は、必ず業者に確認しておきましょう。

 

8.中塗りを行う

続いて、塗装面に厚みをもたらすための中塗りを行います。塗膜の厚みのことを膜厚と言い、塗料メーカーが定めた膜厚以下になると塗料本来の効果を発揮できません。膜厚を満たすためには、上塗りの前に中塗りを行うことが必須工程となります。

 

また、中塗りと上塗りを2回に分けて行う理由は、1度目の塗装をしっかりと乾かすためです。まとめて塗ってしまうと、外側は乾燥しているが内部は乾いていない、といった不備が生じてしまいます。

 

中塗りは1〜2日程度で終了しますが、乾燥に時間がかかる場合は3日必要なこともあります。

 

注意点としては、塗料の臭いが気になることを覚えておいてください。最近では臭いの少ない塗料もありますので、業者に相談してみるのも良いでしょう。

 

9.上塗りを行う

塗装作業の最終ステップが上塗り作業です。中塗りと同じ塗料を使ってきれいに仕上げていきます。何度も重ね塗りすることで膜厚が強固になり、耐久性に優れた外壁を完成させることにつながります。

 

中塗り同様、塗り終わったら乾燥させる時間が必要です。しっかり乾燥させていないと見た目や機能面に悪影響を及ぼします。そのため、作業完了までには2日程度かかることを覚えておきましょう。築年数が経っている場合や劣化が進んでいる場合は、通常の1.5〜2倍ほど作業期間が延長します。

 

上塗りは最低でも3回は重ね塗りしなければなりません。最低回数を下回っていないか、作業報告書などで確認しておくと安心です。

 

10.塗装面に問題がないか最終チェックを行う

塗装作業が完了した後は、塗装面に問題ないか最終チェックを行います。塗り残し、塗装のはみ出し、塗ムラなどを確認し、必要があれば手直しします。

 

完了検査の際は、チェックシートを使って一つ一つの確認作業です。後々トラブルにならないよう、隅々までしっかりと点検してもらってください。塗装業者の完了検査に立ち合い、自分の目で確認することも大切です。

 

完了検査自体は数時間〜半日程度で終わりますが、不備がある場合は1日かかることもあります。手直しがある可能性を考え、最低1日程度を予定しておきましょう。

 

場合によっては、確認や記録を残すために業者が写真を撮るかもしれません。プライバシーの面が気になることがある方は、あらかじめ伝えておいてください。

 

11.足場を解体する

完了検査が終わったら、作業現場の片付けに入ります。足場の解体・撤去、廃棄物の処理、清掃など多くの工程があるため、1日程度かかることを頭に入れておいてください。

 

足場を組み立てた時と同じように、大きな音が鳴り響いてしまう点には要注意です。ご近所さんへは事前に伝えておくとトラブルを減らせます。また、解体した建材やゴミなどを運ぶ大型トラックの搬入通路が必要です。場合によっては、組み立て時よりも大きなトラックが用意されることもあります。

 

解体した時に外壁に傷がつかなかったかどうか、解体後にも塗装チェックを行うことが大切です。もしも剥がれている場合は、きちんと業者に伝えましょう。

 

12.ご近所に工事が終了したことを伝える

全ての塗装作業が終了したら、ご近所さんへ工事が終わったことを伝えてください。完工挨拶をしないと、近隣の人から「いつ終わるのか」と心配されてしまうかもしれません。

 

きれいに仕上がった外壁をお披露目するのも良いでしょう。もしかしたら外壁工事したいけど悩んでいる、というご近所さんがいるかもしれません。

 

感謝の意味を込めて、ちょっとした手土産を渡すのもおすすめです。ご近所付き合いを悪くしないためにも、気持ちばかりのプレゼントを用意しておきましょう。

 

外壁塗装の作業工程に関する注意点

外壁塗装を依頼する際、作業工程に関して覚えておきたい注意点がいくつかあります。初めて塗装を依頼する場合は「知らずに損してしまった!」という事態になるかもしれません。

 

ここからは作業工程における重要な注意点をお伝えします。トラブルを起こさないためにも、塗装工事を依頼する前に必ずチェックしておきましょう。

作業工程が短すぎる業者は避ける

作業工程があまりにも短い業者には注意しましょう。工事期間が短すぎる場合は手抜きをされる可能性があるからです。悪徳業者に騙されないためにも、塗装工事の期間については注意深く確認してください。

 

悪徳業者を見分ける目安として、10日間より短い工事期間の場合は要注意です。各工程を丁寧に行うと、最低でも10日以上はかかります。特に下塗り・中塗り・上塗りの段階では、しっかりと乾燥期間を設けなければ見た目や耐久性に悪影響を及ばします。「早く終わらせます!」「どこよりも最短で完了します!」と過度にPRしてくる業者は怪しいと考えましょう。

 

また、工事費用が安すぎる場合や無料キャンペーンを謳ってくる場合なども悪徳業者を疑うべきです。

工程表をかならず作成してもらう

塗装工事を依頼する業者には、必ず工程表を用意してもらいましょう。工程表があることで、「作業が何日で終了するのか」「どのような工程で作業を行っていくのか」が詳しく分かります。

 

できれば、上記で説明した12工程が全て書かれているものを作成してもらいましょう。日付、かかる日数、作業時間など細かい部分まで記載してあればベストです。

 

また、工程表はご近所挨拶で説明する際にも役立ちます。工事のスケジュールを見せることで、口で説明するよりも理解してもらいやすくなるでしょう。

 

もしも工程表を受け取っていない場合は、早めに業者へ問い合わせてください。塗装工事において工程表は必ずもらえるものです。拒否するような業者は優良業者と言えないため、注意してください。

 

工程通りに作業が進んでいるか確認する

工程表を出してもらったら、そのスケジュール通りに作業が行われているかを定期的に確認してください。1日の作業が終わった時または作業中に「どんな作業をしたのか?」「現在どの段階にいるのか」を業者へ聞きます。1日に1回はチェックしましょう。

 

また、依頼者が定期的に作業を確認することで業者のモチベーションが上がり、不正や手抜きを防止する効果もあります。

 

工程表と実際の作業内容に相違がある場合や、あまりにもスケジュールが遅れている場合は、その理由や対処方法を説明してもらいます。工程表のズレはできるだけ早く直すことが重要です。

 

業者に直接聞いて確認するだけでなく、自分自身の目で作業内容をチェックするのも良いでしょう。その場合は、夜ではなく昼間の明るい時間帯に行うのがおすすめです。暗いと塗りムラや塗り漏れを見落としてしまうかもしれません。万が一トラブルになった場合に備えて、作業部分を写真に記録しておくとより安心です。

 

工程表の通りに進まないことも考慮する

天候などの関係により工程表通りに進まないこともある、という点は覚えておきましょう。外壁塗装を行う上では、温度や湿度が密接に関係しています。無理に進めてしまうと仕上がりの質を下げてしまうこともありますので、多少のズレはやむを得ないと理解しておいてください。

 

また、築年数や劣化の程度によっても工程表通りにいかない可能性があります。表面上には出てきていない劣化部分は、プロの業者でも見分けるのが難しいと言われているため、工程表作成時には予定に組み込めません。

劣化が激しい部分には、より時間をかけて塗装作業行う必要があることを覚えておきましょう。通常の1.5~2倍程度の時間がかかります。

 

作業日程を正確に把握して外壁塗装を成功させよう

外壁塗装を依頼する際、「どのような工程で作業が進んでいくのか」をきちんと把握しておくことは非常に重要です。特に塗装工事を初めて行う方は、不備や不正を防ぐために全体の流れを掴んでおきましょう。

 

今回は、一般的な塗装作業の12の工程を紹介しました。どんな作業があるのか、どれくらいの日数がかかるのか、依頼者が確認すべきことは何なのか、など必ず押さえておくべき内容ばかりです。作業日程を正確に把握するため、工事のスケジュールを記載した「工程表」をもらうようにしてください。

 

今回の記事を参考に、外壁塗装の工程をしっかりと理解し、満足いく工事を成功させましょう。

 
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