外壁のクリア塗装が気になる方必見!向いている外壁やメリットデメリット!

外壁塗装の種類には、クリア塗装という方法があります。クリア塗装というのは一体どういったものなのかイメージが湧かない人もいるかもしれません。

 

そこで今回の記事では、外壁のクリア塗装の特徴や種類といった基本情報と、メリット・デメリット、向いている外壁材について詳しく解説していきます。

外壁のクリア塗装とは?

ここでは、クリア塗装の特徴や耐久性、種類や費用、クリア塗装が施せない外壁などについて詳しく解説していきます。

クリア塗装の特徴

外壁塗装に使われるクリア塗装とは、顔料を含まない無色透明な塗料で塗る塗装方法のことです。天然木の柱や木材の外壁、タイル、レンガ調や石目調のサイディングなどに用いられます。

 

顔料が含まれる一般的な塗料では、今の外壁の色が気に入っていたとしても、塗り替えたときにまったく同じ色にするのが難しいものです。そこで、クリア塗装を使うと、現在のデザインをそのまま残しながらコーティングが行えます。

 

ただし、チョーキングやひび割れなどが起こっている外壁には、クリア塗装は向きません。現在の外壁の種類や劣化状況によって、向き不向きがあるため注意が必要です。

クリア塗装の耐久性

クリア塗装の耐久性は塗料のグレードによって異なりますが、およそ10年程度です。クリア塗装には、傷をカバーしたり修復したりする効果は期待できません。

 

また、退色やひび割れなどの劣化が起こってからクリア塗装を行うと、かえって劣化が目立ちやすくなってしまいます。

 

そのため、劣化が起こる前に塗り替えを行うことをおすすめします。外壁の耐久性と美観性を保つには、7年程度を目安に塗り替える必要があると考えておきましょう。

クリア塗装の種類と費用相場

クリア塗装には、どのような種類があって費用はいくらかかるのでしょうか。塗装の種類ごとの特徴と、費用相場を下表にまとめました。

 

クリア塗装の種類

クリア塗料の特徴

費用相場

アクリル

安価だが耐用年数が短い

1,000〜2,000/1

ウレタン

使用する場所を選ばない

耐用年数が短い

1,500〜2,500/1

シリコン

コストパフォーマンスがいい

2,000〜3,500/1

フッ素

シリコンよりすこし割高だが耐用年数が長い

2,500〜5,000/1

無機

耐久性が非常に高くメンテナンスが必要ない

3,500〜5,000/1

 

クリア塗装の代表的なものには上記の5種類があり、それぞれ、特徴と費用相場が異なります。5種類のクリア塗料の中でも、コストパフォーマンスがよいと言われるのがシリコン塗料です。

 

また、一般的な塗装は、下塗り中塗り上塗りの3回塗りで行われますが、クリア塗装は下塗りを行いません。そのため、施工工程が少なく、塗料代と人件費は安くなる傾向にあります。

クリア塗装ができない外壁

クリア塗装を検討するときに気をつけたいのは、どの外壁材でも向いているわけではないことです。光触媒、フッ素、無機など特殊なコーティングがされている外壁材に、クリア塗装は向きません。

 

特殊なコーティングをした外壁材は、クリア塗装をすると早めに剥がれてしまう恐れがあります。また、金属系のサイディングも避けましょう。表面がツルツルとしているため、塗装しても剥がれやすくなってしまうためです。

 

外壁のクリア塗装のメリット

外壁塗装の際にクリア塗料を使うと、どんなメリットがあるのか具体的なイメージが沸かない人もいるでしょう。ここでは、クリア塗装のメリットを詳しく解説します。

現在のデザインを残せる

クリア塗装は無色透明のため、現在の外壁の色、柄、風合いなどをそのまま保つことが可能です。一般的な外壁材に用いられる塗料には、顔料が含まれており、塗り替えると現在の外壁の色を塗りつぶしてしまいます。

 

外壁塗装の寿命が近づいてきているものの、今の住宅の外壁材や色が気に入っているのでそのままにしておきたいという人もいるでしょう。

 

クリア塗装であれば、ストーン調、タイル調、レンガ調などのサイディングのデザインや色味をそのまま残しながら、耐候性や耐久性を上げることができます。

 

艶感がアップする

クリア塗装を使うと、艶感がアップするのも魅力です。艶のある外壁は見栄えがよくなり、汚れもつきにくくなるというメリットがあります。

 

クリア塗装では、光沢の度合いも選べます。ピカピカと光が反射する艶有塗料、七部艶塗料、五分艶塗料、三分艶塗料など、好みの光沢感が選択可能です。

 

築年数を経た外壁材も、クリア塗装を施すことで住宅が一新されたように新しく見えることもあるでしょう。

チョーキング現象が発生しない

クリア塗装は、チョーキング現象が起こらないこともメリットです。チョーキング現象とは、塗料に含まれる顔料が劣化して起こる、外壁に粉がふいたような劣化状況です。

 

チョーキング現象が起こると、外壁に手で触れただけで白い粉がつきます。チョーキング現象は、雨水を保護する機能が失われていることの現れであるため、塗り替えのサインとも言われます。

 

クリア塗料には、そもそも顔料の成分が含まれないため、チョーキング現象が起こることはありません。

 

しかし、チョーキングが起こらないからといって「クリア塗装は劣化しない」というわけではないため、定期的に点検し、塗り替えの時期を判断しましょう。

外壁のクリア塗装のデメリット

ここでは、クリア塗装のデメリットを詳しく解説します。

ひび割れは補修できない

クリア塗装は、外壁のひび割れを補修する効果は期待できません。また、ひび割れを補修したあとにクリア塗装を行うと、補修跡がそのまま丸見えになってしまいます。

 

外壁のひび割れには、大きく分けてヘアークラックと構造クラックがあります。ヘアークラックは浅いひび割れで、顔料入りの塗料を施すだけで補修が可能です。

 

構造クラックは、ひび割れ部分をV字型に削り、補修材を充填して顔料入りの塗料を施すことで完了します。クリア塗装は、顔料入りの塗料と同じようには使えないため、注意しましょう。

劣化状況が丸見えになる

クリア塗装のデメリットの一つに、外壁の劣化状況が丸見えになってしまうことがあります。既存の外壁に付着した汚れやひび割れなどは、クリア塗装では透けて見えてしまうためです。

 

例えば、チョーキング現象が起こっている外壁にクリア塗装を施すと、仕上がりが白ボケしているようにみえてしまうことがあります。また、ひび割れが起こっている部分は保護ができず、塗装が剥がれることも少なくありません。

 

クリア塗装をサイディングの外壁に施す場合は、比較的劣化が少ない外壁や、新築から10年以内の外壁に行うことをおすすめします。

コーキング部分への塗装は不可能

クリア塗装のデメリットの一つは、コーキング部分に塗装できないという点です。サイディングの外壁材と外壁材の間には目地があり、コーキングが施してあります。このコーキング部分にクリア塗装を行うと、コーキングが劣化する恐れがあります。

 

コーキングは、外壁内部に雨水の侵入を防ぐ重要な部分です。そのため、クリア塗装を行う場合は、外壁の塗装を行ってからコーキング部分を充填します。

 

コーキング部分にクリア塗装を行ってしまうと、塗膜に汚れ、割れ、剥がれなどが起こってしまうため注意が必要です。

 

クリア塗装に向いている外壁

クリア塗装には、どんな外壁材が向いているのでしょうか。クリア塗装が相応しい外壁材には、サイディング、コンクリート、モルタル、ウッドデッキなどの木部が挙げられます。

 

ここでは、それぞれの外壁材にクリア塗装を施したときの特徴を詳しく解説します。

サイディング

クリア塗装に向いている外壁材の代表的なものに、サイディングがあります。一般的なサイディングは、繊維質とセメント質を主な原料とした窯業系サイディングです。

 

窯業系サイディングの中には、レンガ調、石目調、タイル調などデザイン性の高いものが多くみられます。

 

色のついている塗料では、現在の外壁の特徴的な色や柄を塗りつぶしてしまいます。クリア塗装なら、今のデザインをそのまま残して、新築の外壁のように、美しく蘇らせることができるでしょう。

 

そのため、クリア塗装は、サイディングに柄や模様などのデザインを施している外壁にもおすすめします。

コンクリート

コンクリートの外壁にも、クリア塗装はおすすめです。打ちっぱなしのコンクリート外壁は、そのままにしておくと汚れがつきやすく、雨水も侵入しやすくなってしまいます。

 

クリア塗装など、撥水機能を持つ塗料で表面を保護するのもよいでしょう。クリア塗料の中でも、着色剤を混ぜて塗装する「カラークリヤー工法」を施すと、さらに耐久性を高めることができます。

 

カラークリヤー工法を施すと、サビ止めや防水性を高める効果も見込め、耐久性が高くなるのも魅力です。

モルタル

モルタルの外壁材にも、クリア塗装がおすすめです。モルタルとは、セメントに砂と水を練り合わせたもので、外壁材によく用いられる建築材料です。

 

モルタル外壁は、目地がないため意匠性は高く、デザイン性の高さで選ぶ人が多くみられます。しかし、ひび割れが起こりやすいデメリットも見逃せません。そこで、モルタル外壁の上からクリア塗装を行うと、耐久性や耐候性が向上します。

 

クリア塗装を施すことで、艶感もプラスされ、見た目もより一層美しくなるでしょう。

ウッドデッキなどの木材

クリア塗装には、ウッドデッキや窓枠など木材にもおすすめです。また、ガーデン家具の木材部分の塗装にも用いられることがあります。

 

屋外に使われる木材は、紫外線や雨風による劣化が起こりやすい材料です。そこで、クリア塗装を施すと、木材の持つ自然な表情はそのままに、耐久性を高めることができます。

 

塗膜が形成されるため、コケやカビの発生も抑えられるでしょう。ただし、外壁材などでは、南側と北側などで太陽光の当たり具合も異なり、劣化の差が激しくなりやすいため注意が必要です。

 

ウッドデッキや柱、窓枠などでは問題ありませんが、面積が広い木材の外壁などでは、劣化の差が目立たないステイン塗装が向いている場合もあるので、状況に応じて使い分ける必要があるでしょう。

まとめ

外壁のクリア塗装は、無色透明な塗料で塗る塗装方法のことです。窯業系のサイディングやウッドデッキなどの木部に施すことの多い工法です。

 

現在の外壁のデザインをそのまま残しつつ、艶感をアップさせるなどのメリットがありますが、ひび割れの補修ができず、劣化状況が透けて見えてしまうというデメリットも見逃せません。

 

クリア塗装を選ぶときは、現在の外壁の素材や劣化状況をよくみて、検討しましょう。

 
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