外壁のひび割れの補修はできる?自分でできる応急処置の方法を解説!

壁にひび割れが見つかったら、すぐに外壁塗装業者に連絡しましょう。塗装業者は外壁のダメージを直す技術も持ち合わせているからです。かかるお金が心配という方に向けて、ここではDIYの方法についてお話しています。

 

とはいえ壁のひび割れは家全体のダメージに直結することから、すべてを自分で修繕するのは危険です。まずは最初に掲載されている項目に目を通し、DIYできるかどうかの見極めを慎重に行いましょう。

外壁のひび割れ!自分で補修できるかの見極め方

DIYで補修できるかどうかの判断は、ひび割れの長さや深さ、幅で行います。中でも重要なのが幅です。0.3mm以下のヘアークラックと呼ばれるひび割れなら、ご自身での応急処置が可能です。

 

ひび割れの幅が0.3mmかどうかを見極めるには、ホームセンターで販売されている「クラックスケール」が便利です。また一般的なコピー用紙の厚さは0.1mm前後なので、3枚重ねた厚さを目安にするのもよいでしょう。

 

ヘアークラックは放置しておくと次第に大きくなり、家全体にダメージを与えます。悪化しないようにDIYで応急処置を行い、外壁塗装時の業者による補修を待ちましょう。また、ひび割れの幅が0.3mm以上なら、すぐに塗装業者に修繕を依頼してください。

外壁のひび割れを自分で補修する方法

壁にできたひび割れが幅0.3mm以下だったなら、以下の方法を用いて修繕しましょう。難易度はまったく高くありません。ひび割れに何かをすり込むことで応急処置を行って、これ以上悪化するのを防ぐ方法を紹介します。

シーリング材の刷り込み

DIY補修はひび割れにシーリング材をすり込むことで行います。ホームセンターでの購入の際はアクリル系やウレタン系を選んでください。シリコーン系のシーリング材は、外壁のひび割れ修理には向きません。手順は以下のとおりです。

 

1.ひび割れの周囲や内部を使い古しの歯ブラシなどで水洗いする

2.シーリング材が余分な箇所に付かないよう、マスキングテープを用いて周囲を養生する

3.シーリング材をシーリングガンにセットして、ひび割れの箇所にすり込む

4.ヘラを用いてシーリング材の表面をならす

5.固まるまで十分な時間を置いた後、マスキングテープをはがして完了

 

シーリング材をすり込んだ箇所は、周囲と色が異なるのでどうしても目立ってしまうところと、2階など高所で作業した際には落下の危険が伴うことが、DIY補修のデメリットです。

 

作業にはシーリング材が速く乾き作業が安全に行えるよう、天気がよくて風が弱い日を選んでください。

セメント粉の刷り込み

細かなセメント粉をすり込むことでも、壁面のひび割れを補修できます。ホームセンターなどで売られているのはチョーク式とスプレー式の2種類ですが、いずれも使用する前に、ひび割れを洗浄する必要があり、さらに乾燥の後に防水材をしみこませなければなりません。

 

チョーク式での補修は、棒状に固められたセメント粉を、ひび割れにすり込むことで行います。ひび割れにそってチョークを上下に動かしていく際に、十分な量をすり込むには相当な力が必要になるでしょう。

 

スプレー式での補修は、セメント粉を吹き付けていくことで行います。チョーク式のように力はいりませんが、広範囲に吹き付けられることから周囲が汚れないようにする工夫が必要です。無駄になる量が多いので、もったいないと感じるかもしれません。

 

セメント粉での補修時も高所作業に気をつけることが注意点となり、補修箇所が目立ってしまうことがデメリットです。

 

【外壁別・状態別】ひび割れの補修方法一覧

ここからは外壁の素材やひび割れができている箇所・状態別に、補修方法を見ていきましょう。平成に入ってから建てられたお家なら窯業系サイディング、それ以前ならモルタルが、それぞれ最も多く使われている外壁の素材です。

窯業系サイディング

窯業系サイディングは、平成以降で最も幅広く使われている外壁材です。軽量でデザインバリエーションが豊富なことから、登場してすぐ人気になりました。

 

ビス周辺のひび割れは、地震などで大きな力が加わることやビスの打ち付け場所が悪かったことが原因で起こります。DIYでの修理を行うとともに、他にも同様のひび割れができていないかをチェックしてください。

 

サイディング自体がひび割れることは地震などで大きな力が加わることや、しみ込んだ水分が凍ることで起こる「凍害」、寿命を迎えていることくらいでしか起こりません。DIYでの補修ができればよいのですが、できないようなら業者に連絡を入れましょう。

 

またサイディング同士をつないでいるシーリングにひび割れが見つかったら、DIYでの修理は不可能です。劣化個所から水分が侵入するため、古いシーリングの打ち替えを依頼しましょう。

 

ひび割れの状態

ひび割れの写真

補修方法

ビス周辺のひび割れ

 

シーリング材・セメント材の刷り込み

外壁材のひび割れ

シーリング材・セメント材の刷り込み

シーリング材のひび割れ

 

業者に任せる

 

ALC壁

ALCとは「軽量気泡コンクリート」のことで、旭化成の「へーベル」が有名です。コンクリートに細かな気泡を含ませることで、高い強度と軽量性、断熱性を実現していますが、細かな穴が空いていることによる崩れやすさが弱点になっています。

 

ALCはパネル同士をつなぐ目地部分はシーリング材が充填されてますが、経年劣化により弾力性がなくなることで、パネルに力がかかるようになりひび割れが起こります。

 

地震などで大きな力が加わった際には、ALCの崩れやすさから目地の周囲以外にもひび割れが起きる可能性があります。同様のひび割れが起きていないか、ALCが使われている箇所すべてをチェックしてください。

 

目地に充填されているシーリングが劣化して、固くなっていたりひび割れが見つかったりした場合、DIYでの修繕はおすすめできません。外壁塗装業者に依頼して打ち直しをお願いしましょう。

 

ひび割れの状態

ひび割れの写真

補修方法

目地部分周辺のひび割れ

 

 

シーリング材・セメント材の刷り込み

外壁材のひび割れ

 

シーリング材・セメント材の刷り込み

シーリング材のひび割れ

業者に任せる

 

モルタル壁・コンクリート壁(RC)

 昭和のころのお家によく用いられていたモルタル壁には、RC造と同様にコンクリートが用いられています。モルタル壁はサイディングやALCとは異なり、弾力性の目地でかかる力を逃がす作りになっていないため、大きな力がかかるとひび割れが発生しやすくなっています。

 

またRC造りの外壁に起きたひび割れは他のケースよりも深刻です。侵入した雨水が内部の鉄骨を錆びさせることで起こる爆裂の可能性があり、高額な修理費がかかるからです。RC造のひび割れは、より素早い補修が必要になるでしょう。

 

硬化収縮によるひび割れは、新築時にセメントに含まれていた水分が蒸発し建物が縮むことで起こります。また開口部や窓、ドア周辺は構造的にひび割れが起こりやすくなっているため、日ごろから重点的にチェックしておきましょう。

 

ひび割れの状態

ひび割れの写真

補修方法

硬化収縮によるひび割れ

 

 

シーリング材・セメント材の刷り込み

開口部周辺や外壁面のひび割れ

 

シーリング材・セメント材の刷り込み

窓やドアの周辺の肌分かれによるひび割れ

 

シーリング材・セメント材の刷り込み

シーリング材のひび割れ

 

業者に任せる


タイル壁

タイルは経年劣化をほぼ起こさない素材です。高い耐久性を持っているので、ひび割れは強い力が加わることくらいでしか起きません。もしひび割れした場合は、DIYによる補修はできないと考えてください。

 

タイルに起きたひび割れは落下事故につながり危険なので、いち早い発見と業者による補修が必要です。

 

またタイル外壁にもサイディング外壁などと同様に使われているのがシーリングです。こちらは経年によるひび割れが発生するため、定期的に業者によるメンテナンスを依頼してください。

DIY向け】外壁塗装のひび割れの補修材の選び方

ここからはホームセンターでシーリング材を購入する際の注意点をお話していきます。いくつかの種類が販売されていますが、おぼえておくべきは「シリコン系」は避けることと、汚れが付きにくいノンブリードタイプを選ぶことです。

シリコン系

シリコン系のシーリング材は、サイディング外壁などの目地やサッシ周りに使われています。外壁塗装時のシーリング打ち直し作業にも、多くの業者がシリコン系シーリング材を使用しています。

 

メリットは高い耐久性と汚れの付きにくさですが、DIYでのひび割れ補修にはメリットがそのままデメリットになります。ひび割れ補修にはシリコン系シーリング材を使わないでください。

 

シリコン系シーリング材は塗装を行うことができず、除去も簡単ではありません。塗装が行えないことから補修箇所はいつまでも目立ったままになります。下地との密着性も高いので除去することもできません。

 

選ぶならよく似た名前の変成シリコン系のシーリング材です。固まるまで時間が短く扱いやすいことに加えて、上から塗装できるという特徴も持っています。

アクリル系

アクリル系のコーキング材はモルタル外壁のひび割れ以外にも、ALCパネルの目地やサッシ周りにも使われています。湿った箇所にも使用でき、使いやすさがメリットです。

 

耐久性が他のコーキング材にくらべると劣るのがデメリットですが、DIY補修はあくまで応急処置なので、さほど問題ではありません。

ウレタン系

ウレタン系のコーキング材はコンクリート以外に天然石や金属などにも使用できます。幅広い素材との相性の良さが特徴となっていることから、DIYでのひび割れ補修にも向いているといえるでしょう。

 

高い耐久性を持っているものの、紫外線に特に弱いところがデメリットです。外壁塗装業者が施工する際には上から塗装を施すことで保護を行います。

まとめ

外壁のひび割れは業者に任せてしまうのが基本ですが、幅0.3mm以下のものならDIYでの応急処置も可能です。広がったひび割れから水分が侵入することを防ぐことができ、大きなダメージにつながることをリスクを下げられます。

 

DIYでの補修に用いるのは、ホームセンターなどで手に入るコーキング材かセメント粉です。コーキング材は作業に力を必要としないのでおすすめですが、シリコン系のものの使用は避けてください。変成シリコン系かアクリル系、ウレタン系を選びましょう。

 
お客様の声