外壁塗装はローンが組める？使うメリット・種類や金利について詳しく解説

「外壁塗装工事は、ローンを組んで支払える？」「ローンを組むときには何に注意したらいいの？」

 

このようなことを考える方は多いのではないでしょうか。外壁塗装工事でローンを組むことは可能です。ただ、ローンを組むメリット・デメリットについて事前に理解してから利用を検討することをおすすめします。

 

そこで今回は、外壁塗装でローンを組むメリット・デメリット、ローンの種類や金利相場、注意点について詳しく解説していきます。また、ローンと併用して考えたい方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

外壁塗装の支払いでローンは組める

外壁塗装には100万円以上かかることもあり、工事をためらってしまうこともあるでしょう。結論からいうと、外壁塗装でローンは利用可能です。一般的なローンと同様に、銀行または信販会社から借りることができます。

 

外壁塗装にかかる工事費用の支払い方法は、工事完了後の一括払いか、契約時または着工時に一部を支払い、工事完了後に残金を払うかの2種類です。

 

そのため外壁塗装工事の支払いでは、ある程度まとまった金額を準備する必要があります。そこで便利なのがローンです。住宅の新築時や自動車の購入時と同じく、外壁塗装でもローンが組めます。

外壁塗装でローンを組むメリット

 

ローンは借金という印象があり、できれば避けたいと思う人もいるかもしれません。しかし、ローンは使い方によっては家計面でも住宅の性能を保持する面でもメリットがあるといえます。主なメリットとしては以下の4つがあります。

 

• ●まとまったお金がなくても外壁塗装できる
• ●早めに対処すると節約になる
• ●ほかの出費に備えるための資金を残しておける
• ●よりグレードの高い塗料を選択できる
•  

それぞれについて詳しく紹介していきます。

まとまったお金がなくても外壁塗装できる

外壁塗装をローンで支払うメリットの1つ目は、まとまった資金がなくても工事が行えることです。外壁塗装には、大きな額の資金が必要です。外壁のメンテナンス時期がそろそろ来ると思っていても、手元に資金がなくて発注に進めない人もいるのではないでしょうか。

 

しかし、劣化が進行している場合は、早めに工事に着手したほうが総額費用を抑えられることも考えられます。そんなとき、ローンを利用すればすぐに外壁塗装工事が行えます。

早めに対処すると節約になる

外壁塗装でローンを組むメリットの2つ目は、早めに対処すると節約になることです。外壁塗装は、予測していたタイミングよりも早まる可能性があります。

 

雨漏りの発生やコンクリートの劣化、モルタル外壁のひび割れなど、劣化が進行している場合は、早急に外壁塗装工事が必要になることがあります。そんなときに、「資金が貯まってから頼もう」とそのままにしておくのはおすすめできません。

 

工事をする時期が遅れてしまうと、住宅の内部にまで劣化が進行してしまうことも考えられます。外壁の防水性が保たれなくなることで、カビやシロアリの発生が起こってしまうと、結果的には修繕費がローンの金利よりも高くなってしまうこともあるでしょう。

 

そのため、ローンを借りて工事したほうが結果的に安く済む場合があります。

ほかの出費に備えるための資金を残しておける

外壁塗装の支払いでローンを利用するメリットの3つ目は、ほかの出費に備えるための資金を残しておけることです。ローンを活用すれば、一気に手元資金が減ってしまうことはありません。

 

たとえば、数年以内にお子さんの進学による出費が考えられるご家庭では、資金を残しておきたいと思う人もいるでしょう。教育資金だけでなく、住宅の他の部分もメンテナンス費用がかかる可能性がある、車の購入を検討しているなど、手元資金が少なくなることに不安がある人もいるかもしれません。

 

ローンを活用することで、外壁塗装工事にかかる費用を一括支払いをする必要がなく、毎月少しずつ支払いで済むため、手元に資金を残しておくことが可能です。

 

工事費用を払えるだけの貯蓄があるご家庭でも、ローンを活用することで手元資金を残しつつ、外壁塗装工事が行えます。

よりグレードの高い塗料を選択できる

外壁塗装でローンを組むメリットの4つ目は、よりグレードの高い塗料を選択できることです。近年の技術進歩により、現在は、外壁塗装向けの高性能・高機能である塗料製品が多数販売されています。

 

塗料の費用と性能は比例し、安価な塗料は耐用年数が6〜7年、高価な塗料は15年以上と幅があります。

 

短期で資金を貯めて安価な塗料で工事を行うより、ローンを利用して資金を準備し、耐用年数の長い塗料で工事を行ったほうがよいことも考えられます。結果的に、メンテナンスの頻度が少なくなり、塗り替えの回数と総額で考えると、経済的に塗装工事が行えることもあるでしょう。

 

外壁塗装のメリットについてもっと詳しく知りたい人は、以下の記事を参考にしてください。

＞＞外壁塗装のメリットについて詳しく確認する

外壁塗装をローンを組むデメリット

 

ここまではローンを利用するメリットについてみてきました。しかし、ローンを組むデメリットについてもしっかり理解してから決めましょう。

 

外壁塗装工事でローンを組む主なデメリットには、以下の3つがあります。

 

• ●金利がかかる
• ●返済計画を考えなければならない
• ●他の金融機関で借りられなくなる可能性がある

 

1つずつ詳しく見ていきましょう。

金利がかかる

外壁塗装でローンを利用するデメリットの1つ目は、金利がかかることです。当然のことながら、一括支払いをするよりも金利がある分、ローンを利用したほうが支払総額は高くなってしまいます。なるべく金利の安い金融機関を選ぶなどの工夫が必要になるでしょう。

 

しかし、塗装工事で塗料の種類によっては、その後の塗替え工事費用を抑えられる可能性もあります。将来的にかかる塗り替え工事の費用と、ローンの支払総額を見比べて検討するのも1つの方法です。

返済計画を考えなければならない

外壁塗装工事でローンを利用するデメリットの2つ目は、返済計画を考えなければならないことです。ローンを組むと、毎月支払っていくことになります。

 

今の家計では支払いが増えても問題ないこともあるかもしれません。しかし、予測していなかった家庭の事情や景気のアップダウン、社会情勢の変化などで、やむを得ず必要な生活費が上がることも考えられます。

 

問題なく返済できる金額を、慎重に検討する必要があるでしょう。

他の金融機関で借りられなくなる可能性がある

外壁塗装でローンを借りるデメリットの3つ目は、他の金融機関からの借り入れができなくなる可能性があることです。

 

ローンを借り入れる際には、返済が滞りなくできるかどうかの審査を受けます。勤務先や年収、年齢や健康状況によっては、ローンを利用できないこともあるでしょう。

 

また、すでに住宅や自動車のローンを組んでいる場合、新たに外壁塗装工事のローンが組めないこともあります。借り入れの総額が、金融機関での返済比率を超えてしまうと、審査が見送りになってしまうためです。

 

事前に金融機関での借り入れに関する状況を確認しておくことをおすすめします。

 

外壁塗装で利用できるローンの種類

 

外壁塗装で利用できるローンには、「リフォームローン」「住宅ローン」など、さまざまな名称があります。これらの名称は金融機関が名付けたもので、特に決まりはありません。

 

借入金額と担保の有無を窓口で相談して、適した商品を紹介してもらうことをおすすめします。

銀行のローン

外壁塗装で利用できる銀行のローンは、銀行によって金利が異なります。地方銀行とメガバンクを比較すると、地方銀行のほうが金利は安い傾向にあります。

 

ただし、銀行ローンの審査には時間がかかることも少なくありません。依頼してから1ヶ月待たされ、結果的に審査が通らなかったという事態になることもあります。

 

また、銀行のローンには有担保ローンと無担保ローンの2種類があります。それぞれについて詳しくみていきましょう。

有担保ローン

銀行の有担保ローンは、金利が1〜10％と安いため、費用をなるべく抑えたい方に向くローンです。しかし担保を設定するための手続きが多く、揃えなければならない書類も多数あります。加えて審査の条件は厳しいことが多く、時間がかかります。

 

「手続きに時間がかかっても借入額を安くしたい」「すぐに工事をしなければならない状態ではないからなるべく安くローンを組みたい」という方におすすめです。

無担保ローン

銀行の無担保ローンは、有担保ローンよりも金利が高めで、4〜15％が目安です。しかし、塗装業者から申し込める場合もあり、審査や手続きが比較的簡単に済む傾向にあります。

 

「手続きが煩雑になるのは嫌だ」「審査で長い期間待たされなくない」「外壁の劣化が進んでいるから早くローンの審査が下りてほしい」という方におすすめのローンです。

信販会社のローン

外壁塗装に利用するローンには、信販会社のローンを組む方法もあります。信販会社のローンは、銀行に比べると金利が高くなる傾向にあります。

 

しかし、審査結果が出るまでの時間はあまりかからないことが多いでしょう。遅くても2日以内には結果がわかり、申込日に審査が通ることも珍しくありません。

 

また、金利が一定ではなく、時期によって変動するのも信販ローンの特徴です。たとえば、ローンの申込み数が多い時期に申請すると、金利が高くなることがあります。信販ローンを借りる場合は、時期を考慮して借り入れることが大切です。

 

外壁塗装のローンを組んだ場合の金利相場

 

外壁塗装のローンを組んだ場合の相場は、有担保ローンで0.6％から、無担保ローンで18％程度です。有担保より、無担保のほうが金利は高い傾向にあります。

 

具体的な例と金利は、下表をご覧ください。

 

金融機関	ローン名称	金利	金利のタイプ
朝日信用金庫	朝日リフォームローン	1.800% ～ 3.000%	変動金利
滋賀銀行	しがぎん住宅関連ローン	1.675% ～ 5.175%	変動金利
横浜銀行	横浜銀行リフォームローン	1.700% ～ 2.700%	変動金利
千葉銀行	ちばぎん住まいのリフォームローン	1.600% ～ 2.700%	変動金利

外壁塗装をローンを組む場合の注意点

 

実際に、外壁塗装でローンを組むときにはいくつかの注意点があります。主な注意点は以下4点です。

 

• ●外壁材を考慮する必要がある
• ●返済期間の長さが10年以上にならないようにする
• ●業者からローンを紹介されない場合がある
• ●外壁塗装の工事を行う前に申請する

 

1つずつみていきましょう。

外壁材を考慮する必要がある

外壁塗装のローンを組むときには、今の外壁材が何かという点にも着目しましょう。外壁材の種類によっては、修繕費よりもローン金利のほうが安くなるというメリットが生かされない可能性があります。

 

たとえば、外壁材がモルタルや窯業系サイディングは劣化が早いため、早めに外壁塗装を行うことで劣化の進行ペースを抑えることができ、ローンを活用するメリットがあるでしょう。

 

一方で、タイルやコンクリート壁などは、劣化の進行速度は遅く、経年劣化の影響をあまり受けません。メンテナンス時期を早めることで、総額の塗り替え費用を安くするというメリットを享受できないでしょう。

 

返済期間の長さが10年以上にならないようにする

外壁塗装のローンを検討する場合は、返済期間の長さが10年以上にならないようにしましょう。10年以上の長いローンの間に、もう一度外壁塗装をしなければならないこともあるためです。

 

塗料の耐久性にもよりますが、多くの場合、10年以上経つと再塗装が必要になることが考えられます。再度塗り替えを行うときにもローンを組むと、2つのローン返済に追われて、家計が苦しくなってしまうでしょう。

 

返済期間にも注意して、現在のローンを検討することが大切です。

業者からローンを紹介されない場合がある

外壁塗装では、業者からローンの紹介をされないこともあるため注意しましょう。ローンを組むことは、業者からみると手間と時間がかかります。

 

前述した通り、銀行のローンでは多くの必要書類があり、審査には時間がかかるものです。その点、信販ローンでは手続きが簡単で審査も早く済みます。

 

塗装業者によっては、効率を求めて銀行のローンを紹介しないことがあると知っておきましょう。

外壁塗装の工事を行う前に申請する

外壁のローンを組むときには、塗装工事の前に申請しましょう。工事の途中や完了後は、融資を受けられません。

 

外壁塗装の見積もり段階や検討中に、早めにローンの申請について調べておくことをおすすめします。また、必ず施工業者にも、ローンを利用する予定だと伝えておきましょう。

 

審査の申請申し込みには、書類作成などで業者の協力が必要不可欠です。前々から、業者と連絡を取り合い、ローンの利用について相談しておくことをおすすめします。

 

ローンと併用して考えたい外壁塗装の負担を減らす方法

 

 

外壁塗装工事では、100万円以上の費用がかかることもあり、メンテナンス費用は住宅を所有する人にとって大きな負担です。ローンを組むのは家計負担を軽減するのに有効ですが、助成金や住宅ローン減税の利用も検討したい方法です。

 

ここでは、外壁塗装の費用負担を減らす方法を2つ紹介します。

 

自治体の助成金を利用する

外壁塗装では、自治体が行っている助成金を利用する方法があります。助成金や補助金は、都道府県が実施しているものと、市町村が実施している支援制度があります。

 

助成金・補助金の多くは、毎年4月ごろに申し込みがスタートし、先着順で打ち切られてしまうことも少なくありません。地域によっては、最大で30万円の助成金・補助金が受け取れることもあります。

 

ただし、どの自治体でも行われているとは限りません。お住まいの自治体ホームページで情報を得るか、わからない場合は役所の窓口で相談してみましょう。

 

住宅ローン減税を利用する

外壁塗装の費用負担を軽減させるには、住宅ローン減税を利用する方法もあります。住宅ローン減税とは、10年間一定の基準を満たしている場合、所得税の控除を受けられる制度です。正式名称は、住宅借入金等特別控除といいます。

 

しかし、住宅ローン減税を利用するには、いくつかの注意点があります。10年以上の返済期間がある、床面積が50平米以上である、合計所得金額が2,000万円以下であるなどの条件を満たさなければなりません。

 

利用する場合は、事前にご自身のケースがあてはまるかどうかを確認しましょう。外壁塗装のローン控除について詳しく知りたい方は、以下をご覧ください。

＞＞外壁塗装のローン控除について詳しく確認する

まとめ

外壁塗装工事では、銀行や信販会社のローンが利用できます。ローンを利用すると、まとまった資金がなくても工事が行え、手元の資金を残しておけるといった点がメリットです。

 

しかし、金利がかかったり塗装工事でローンを組むことにより、その他のローンを組めなくなるデメリットもあります。

 

外壁塗装でローンを利用するには、工事の前に申請をしなければなりません。塗装業者にも書類の作成や申請で協力してもらう必要があるため、ローンを利用する予定がある場合は早めに相談しましょう。