塗装で使う道具(刷毛、ローラー、スプレー)の種類と特徴

塗装は塗装面や工法によって、3種類の道具を使って行います。現在の主流はローラーで、刷毛やスプレーは一部の限られた施工で使用する場合がほとんどです。

このページでは、塗装を行う道具の特徴、それぞれのメリットとデメリットについて紹介しています。

■塗装を行う道具は3種類

塗装を行う道具は、刷毛、ローラー、スプレーの3種類があり、それぞれに特徴があります。

昔は刷毛で施工を行っていましたが、現在の塗装は、作業の8割をローラーで施工し、細かい部分は刷毛で施工するのが一般的です。

●刷毛

刷毛は、木やプラスチックなどの柄に動物の毛や化学繊維を付けた道具です。最も歴史があり、昔から用いられています。

昔ながら手塗りの工法で仕上げるため、仕上がりは職人の腕に左右され、キレイに仕上げるには熟練の技術が必要です。

●メリット
刷毛は、塗料の飛び散りが少なく、複雑な形状も塗れるメリットがあります。

●デメリット
デメリットは、作業に時間を要する点です。ローラーと比べて数倍の時間がかかるので、広い面積を塗るのには向いていません。

●刷毛の素材
刷毛の素材は、動物の毛(馬、羊、豚、ヤギ)と化学繊維が用いられます。溶剤の塗料には動物の毛が適しており、水性塗料には化学繊維が適しています。

●刷毛の種類と特徴
【平刷毛】
平らな形状で、広い面積を塗るの適しています。ベタ刷毛とも呼ばれます。

【筋交い刷毛】
毛が生えている部分が45度に曲がっています。角など細かい部分を塗るのに適しています。

【寸胴刷毛】
寸胴のような形状で厚みがあるので、塗料を多く含むことができます。そのため、一度で大量の塗料を付着させることできます。

【目地刷毛】
細いので、目地や溝などの細かい箇所を塗るのに適しています。

【鉄骨刷毛】
鉄骨などの金属を塗るのに適しています。

【水性刷毛】
化学繊維を含んだ毛で出来ており、水性塗料が刷毛の中で固まらない特徴があります。そのため、水性塗料を施工する際に使用します。

●ローラー

ローラーは、芯になる筒に毛や繊維を巻き付けたものです。

●メリット
広い範囲を短時間で塗装でき、塗料の飛び散りが少ないメリットがあります。また、品質が良いものは、塗料の含みが良く気泡も出ないので、刷毛よりも塗装の技術力を必要としません。そのため、現在の主流となっています。

●デメリット
デメリットは、道具の優劣で仕上がりが左右されてしまう点です。劣化しているローラーは、毛が抜けてケバ立ちが起こったり、気泡が入る場合があります。

●ローラーの種類と特徴
【羊毛ローラー(長毛タイプ、短毛タイプ、中毛タイプ)】
最も使用頻度が高いローラーです。羊毛のような柔らかい繊維のため、均一に塗りやすく、模様を残すことができます。

中毛ローラーは、最も汎用性が高く様々な部分で使用することができます。長毛タイプは、タイルの溝などの表面がデコボコしている部分に適しており、短毛タイプは、目地や凹みを塗らないで仕上げることができます。

【砂骨ローラー】
砂骨ローラーは、大量の空洞があるので、塗料を大量に吸うことができます。そのため、厚く塗りたい場合や、粘度が高い塗料に適しています。

由来によって、マスチックローラーや多孔質ローラー、パターンローラーやスポンジローラーとも呼ばれます。

●スプレー

スプレーは、塗料を霧状にして噴射する道具で、吹き付けと呼ばれる工法で用いられます。

●メリット
塗料を吹き付けることで、立体感のある模様作ることができます。たま、広範囲を短時間で施工することができ、仕上げの模様が豊富で補修跡がわかりづらいといったメリットがあります。

●デメリット
吹き付けは、広範囲に素早く塗料を塗ることが出来ますが、塗料が飛散しやすためロスが多く、騒音が発生するといったデメリットがあります。

●スプレーの種類と特徴
スプレーは、エアスプレーとエアレススプレーの2種類に分類することができます。

エアスプレーは、空気を圧縮して噴射するので、塗料をまき散らしロスが多い特徴があります。

エアレススプレーは、塗料を圧縮して空気を含まずに飛ばすので、飛び散りが少なく、塗料のロスが少ないと特徴があります。

 

■まとめ

塗装を行う道具は、刷毛、ローラー、スプレーの3種類があります。現在の主流はローラーで、細かい箇所などは、刷毛を併用して施工を行います。

スプレーは、吹き付けで模様を作る際などには用いられますが、飛散や騒音などのデメリットがあるので、通常の塗装で用いられることは、ほとんどありません。

 
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