屋根や外壁の雨漏りを修理・補修するコーキングの方法!原因箇所も解説

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業者に依頼すれば安くは済まない雨漏り修理では、「コーキングを使って自力で雨漏りを直したい。」と考える方も少なくありません。

 

確かにコーキングを使えばご自身でも雨漏りを止めることは可能です。しかし、雨漏りの原因特定や修理は経験豊富な業者にとっても難しい作業であり、難航することもあります。

 

また、知識のない方の不適切な処理は雨漏りを止められないことがあるだけでなく、建物に大きなダメージを与えてしまうことになりかねません。

 

しかし業者が見つかるまでの応急処置としてのコーキング処理は有効です。本記事ではコーキング処理を施す際の道具やコーキング材選び、補修の方法を紹介します。

 

注)コーキングとシーリングの違いについてですが、どちらも基本的には同じ建材です。本記事では統一して「コーキング」と表記しています。

 

コーキングで雨漏りを止める方法・手順

方法や手順を無視した不適切な処理は雨漏りを止めることができず、応急処置の意味を成しません。したがって、コーキングを使って雨漏りを止めるには正しい順序で適切に作業を行う必要があります。

本章では手順に沿って正しく補修する方法を紹介します。

 

どこから雨漏りが発生しているのか確認する

1つ目の手順は「雨漏りの侵入箇所の特定」です。侵入箇所の特定は雨漏りにおいて最難関でかつ最重要な工程です。どんなにコーキング技術が優れていても侵入箇所を正しく特定できていなければ雨漏りを止めることはできません。

 

一般住宅における雨漏りは「屋根」「窓・サッシ」「外壁」から浸水していることが多く、これらを重点的にチェックすることで原因特定の確率が高まります。

 

また、ベランダや屋上の防水塗装が劣化することにより雨水が侵入することもあるので、原因が特定できない場合は一度確認してみることをおすすめします。

 

水は高いところから低い方へ流れるので屋根裏や壁裏に溜まった水が一箇所に雨漏りとして出てくることがあります。必ずしも原因が一箇所とは限らないことを覚えておきましょう。

コーキングに必要な道具を用意する

2つ目の手順は「必要な道具の用意」です。コーキングに必要な道具の種類と用途を以下の表にまとめました。

 

コーキング剤

侵入箇所に塗布するコーキング剤

コーキングガン

コーキング剤を押し出すために使う

カッター、ペンチ

古いコーキングの除去をするために使う

マスキングテープ

周囲を汚さないために使う

ヘラ

塗布したコーキングをならすために使う

プライマー

コーキングの密着性を高めるために使う

ハケ

プライマーを塗布するために使う

 

コーキングの増し打ち程度の応急処置であればプライマーを使用する必要はなく、コーキングで入り口を塞ぐだけで問題ありません。

 

雨漏れの原因部分をコーキングで補修する

コーキングは雨漏りの原因や状態によって補修方法が異なり、割れや剥がれを増し打ちで補修したり、外壁のひび割れに対してプライマーを塗布してから補修したりとそれぞれに適した方法があります。

 

また、小さなズレやひびであれば屋根の補修も行うことが可能です。

 

コーキングの割れ・剥がれを増し打ちで補修

既存のコーキングの割れや剥がれが雨漏りの原因となっている場合には、既存のコーキングの上に新しいコーキングを重ね塗りすることで雨水の侵入を防ぐことができます。この工法をコーキングの増し打ちと呼びます。

 

目地に対して平行にマスキングテープで養生をし、コーキングを充填してヘラでならしたらテープを剥がすという単純な作業です。

 

ひび割れや剥がれが見えなくなり、見た目もきれいになるのでその状態で放置する方がいます。しかし、コーキングの増し打ちは応急処置であるためそれだけでは雨漏りを繰り返すことになり、建物へ大きなダメージを与えることになりかねません。

 

また、ひび割れやミミズ跡のような汚れが浮き出たブリード現象を起こしているコーキングに対して増し打ちをしても、すぐに劣化して雨漏りを再発させてしまうことがあります。

 

コーキングの増し打ちはあくまで業者を待つ間の応急処置であることを念頭において補修をしましょう。

 

古いコーキングを剥がしてからの補修

コーキングの増し打ちでは対応しきれない状態の場合、既存のコーキングを剥がして打ち替えをする必要があります。

 

その場合はまずカッターやペンチを使い、既存のコーキングを除去して周辺の汚れをしっかりと拭き取ります。

 

マスキングテープで養生をした箇所へハケを使ってプライマーを塗り込んでから新しいコーキングを充填し、ヘラでならしてテープを剥がします。

 

単純で簡単そうに思えるコーキングの打ち替えですが、既存のコーキングの除去から仕上げまで、実際には経験や技術を必要とする難しい作業です。

 

コーキングの打ち替えはしっかりと施されていないと雨漏りを止めることができません。場合によっては事態を悪化させたり、入り込んだ雨水が出口を失って下地を腐食させたりすることもあります。

 

経験がなく、適切な補修ができないと判断した場合は無理して打ち替えを行うことはせず、業者へ相談しましょう。

 

壁のひび割れを補修

壁のひび割れから雨水が侵入している場合にも、コーキングを使用して雨漏りを止めることができます。

 

ひび周辺の汚れを拭き取り、ハケを使ってプライマーを塗布してからコーキングを流し込み、ヘラでならして隙間を埋めます。

 

雨漏り用コーキング剤の種類

雨漏り補修に使用されるコーキングにはさまざまな種類があり、コーキングを塗布する箇所の状態や材質に合わせて使用するコーキングを選択する必要があります。

ここでは5種類のコーキングを紹介しますので自身で補修を行う際の参考にしてください。

 

シリコン系

耐久性や密着性に優れたシリコン系のコーキングは他の種類と比べて安価で手に入りやすいメリットがありますが、撥水性が高く塗料をのせることができないので塗装を想定している箇所への使用は不向きです。

 

シリコン系のコーキング材は、浴室や台所など、室内の水まわりやガラスで主に使われます。

 

ウレタン系

ウレタン系のコーキングは紫外線に弱く、屋外で使用する場合には上から塗装することが前提となります。そのため、塗装ができないガラスまわりへの使用はできません。

 

密着性と弾力性に優れており、モルタル外壁のクラックや木材の破風、鼻隠しの隙間を補修するのに適しています。

 

変形シリコン系

変形シリコン系は、濡れている箇所、外壁や屋根までさまざまな材質に使用することができ、塗装も可能な万能性のあるコーキング剤です。

 

他のコーキング剤と比べて高価ですが、シリコン系よりも耐久性が劣る点はデメリットといえます。また、塗料の種類によってはベタつきなどが生じる可能性があるので注意が必要です。

 

変成シリコンといわれることもありますが、どちらも同じです。

 

アクリル系

アクリル系のコーキングは多少の湿りがある場所でも施工ができ、塗料をのせやすいことが特徴です。

 

しかし、他のコーキング剤に比べて耐久性が低く、劣化スピードが速い点や適用する材質が少なく、使用できる場所が少ない点はデメリットといえます。

 

主にタイル目地やモルタル・コンクリートのひび割れの補修に使用します。

 

ポリサルファイド系

ポリサルファイド系のコーキング剤は耐久性が高く汚れにくいメリットがあります。しかし、高温や高湿時に施工をすると発泡する可能性があったり、塗料をのせると変色・変形したりすることがあります。

 

タイル目地やサッシまわり、ビルのカーテンウォールなどに使われることが多いです。

 

コーキングで雨漏り補修する際のポイント

コーキング補修で雨漏りが止まるとついそのままにしてしまったり、どこでもコーキングで直そうとしたりする方もいますが、建物の寿命や安全性を考慮するとおすすめできるものではありません。

本章ではコーキングで補修する際のポイントを紹介します。

 

最終的には必ず業者に修理依頼する

自身の修理でコーキング補修によって雨漏りが止まったとしても、コーキング補修はあくまでも応急措置と考え、できるだけ早く業者へ依頼してください。

 

雨漏りの特定はプロでも難しく、「一箇所からの浸水だけではなかった」というケースも少なくありません。また、一見すると止まったように思える雨漏りも、浸水する量が減っただけで完全に止められていないこともあります。

 

不完全な修理は気付かぬうちに見えない箇所の痛みを進行させ、ご自宅の寿命を縮めていくことになりかねません。

 

ご自身の補修で雨漏りが収まったからと満足することはせず、必ず専門の業者に依頼しましょう。

 

屋根のコーキング補修は危険なので避ける

屋根や雨樋などの高所から浸水していることがわかった場合にはご自身で補修を行わず、専門の業者へ依頼してください。

 

実際に建築の現場でも年間で100名を超えるほどの転落による死亡事故が発生しています。安全対策を行っているプロがこれだけの事故に見舞われていることを考えると、素人の方がどんなに注意深く作業を行ったとしても危険は避けられません。

 

住宅はご自身の身体や命と引き換えにできるようなものではありません。高所での補修が必要と判断した場合は、どんなに些細な作業であっても業者へ依頼しましょう。

 

雨漏り修理は保険で賄える場合がある

ご自宅の築年数が10年以内の場合、雨漏りの修理は保険で対応できる可能性があります。

 

住宅品質確保促進法(品確法)により、住宅事業者は瑕疵に対する10年間の住宅瑕疵担保責任を負っています。これにより、引き渡しから10年以内の新築住宅で雨漏りが発生した場合、住宅事業者へ修理費用を請求可能です。

 

また、台風や大雪などの災害が原因で雨漏りが発生した場合、火災保険を適用して修理することもできます。火災保険の適用可否は契約内容によっても異なるので、保険証券や担当者へ確認しましょう。

 

いずれの保険を適用するとしても、ご自身で補修を行ってしまっては保険がおりないこともあります。速やかに住宅事業者か保険会社へ連絡をして対応を仰ぎましょう。

 

コーキングを使わずに雨漏りを応急処置する方法も

ここまでコーキングを使った補修方法を紹介しましたが、状況や範囲によっては他の方法で応急処置をした方がよいケースもあります。

ここではコーキングを使用しない応急処置の方法を紹介します。

 

ブルーシートで外壁を覆う

雨漏りの対応でもっとも難易度が高いのは雨漏りの原因となる箇所の特定です。そして、どこから雨水が侵入しているかわからないときに、ブルーシートで外壁を覆う方法があります。

 

非常事態をしのぐ一時的な対応ではありますが、誰でも簡単に雨水の侵入を防ぐことができるため、業者を待つ間の対応としておすすめです。

 

ブルーシートが風に煽られて雨水の浸入を許したり、飛ばされて近所に迷惑をかけたりしないためにも、外壁に沿ってしっかりと固定する必要があります。

 

雨漏りの原因箇所を防水テープで補修する

雨漏りの原因箇所が特定できている場合は、防水テープで雨水の侵入を防ぐこともできます。コーキングでの補修に自信がない方やすぐに道具を揃えられない方におすすめの方法です。

 

補修を行う手順は、対象箇所の汚れや水分を乾いた布でしっかりと拭き取り、防水テープを貼るだけです。

 

汚れや水分が付着している箇所に防水テープを貼ってもすぐに剥がれてしまうので、雨の日を避けて処置するとよいでしょう。

 

コーキングによる雨漏り補修は応急処置であることを忘れずに

雨漏り発生時の対応としてコーキングでの補修はとても有効であり、被害を最小限に抑えるためにも重要な処置です。

 

しかし、普段から建築業界に携わっている方でない限り、素人の方が簡単に処置できる作業ではなく、目的や用途に沿った材料選びもしなければなりません。

 

また、不適切な補修は気付かぬうちに建物へ大きなダメージを与える原因にもなります。自身の安全を考慮しても専門の業者へ修理を依頼することが最善です。コーキングを使った補修はあくまで応急処置であることを念頭に置き、正しく対処しましょう。

 

アップリメイクでは雨漏りに関する相談も無料で承っております。これまでの実績をもとに、ご要望に添った対応をご提案させていただきますのでお気軽にご連絡ください。

 
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