こんにちは、アップリメイク代表の齋藤直樹です。
外壁に一か所だけ傷や汚れがあると、そこを直すために家全体を塗るのは、ずいぶん大がかりに感じますよね。
結論から言うと、外壁塗装は、傷んだ部分だけを補修できる場合があります。
ただし、小さく見える傷みでも油断はできません。まわりの塗膜(とまく:塗料が乾いてできる薄い膜)が浮いていたり、壁の裏側から水が回っていたりすれば、見えている範囲だけの手当てでは足りないのです。
反対に、表面の汚れが気になるだけなら、塗り替えより先に、掃除で様子を見られることもあります。
部分補修で大切なのは、傷みを直す範囲と、色や艶(つや)をそろえるために塗る範囲を、分けて考えることです。
ここでは、部分補修ですませられる条件、仕上がりの色の差、費用の比べ方を、順にお話しします。
記事のポイント
- 清掃・部分補修・全面塗装の使い分け
- 部分塗装で色や艶の差が出る理由
- 足場と補修内容を含めた費用の比べ方
- タッチペンを使う前に確かめたい条件
外壁塗装は一部分だけでも直せる
外壁の補修は、家全体を塗り直す工事だけではありません。
傷んだ場所と原因が限られていて、まわりが元気な状態なら、小さな範囲の補修も選べます。
それを見きわめるには、塗膜、外壁材、つなぎ目の状態を、それぞれ確かめる必要があります。
補修と塗装は同じ作業ではない
補修とは、欠けを埋める、傷んだ目地(めじ:外壁の板と板のつなぎ目)の材料を取り替えるなど、不具合そのものに手を入れることです。
塗装は、きちんと整えた表面に塗料を塗って、外壁を守り、見た目を整える作業です。
服にたとえるなら、補修は破れを縫う作業、塗装は洗ってアイロンをかける作業のようなもの。役目が違います。
たとえば、物が当たってできた小さな欠けなら、欠けた部分を直したうえで、そのまわりを塗る方法が考えられます。
ところが、外壁材が割れて動いている場合は、穴を埋めて色を付けるだけでは対応できません。
外壁材がしっかり留まっているかを確かめ、一部を取り替える必要がないかも調べます。
ひび割れの幅や原因ごとの見方は、外壁のひび割れ補修と塗り替えの判断基準で詳しくお話ししています。
外壁材メーカーのニチハも、窯業系(ようぎょうけい)サイディング(セメントと繊維を板にした外壁材)の部分的な傷みについて、いくつかの直し方を挙げています。パテ(すき間や欠けを埋める材料)での補修、部分的な張り替え、塗装での補修などです。
一つの症状に一つの工事を当てはめるのではなく、残せる部分を確かめてから工事の中身を決める、という考え方です。
工事の範囲を四つに分ける
「部分補修でお願いします」だけだと、頼む側と工事する側とで、仕上がりのイメージが違うことがあります。
傷だけを目立ちにくくしたいのか、一面の色をそろえたいのかまで、希望を伝えておくと行き違いがありません。
| 方法 | 主に検討する状況 | 残る課題 |
|---|---|---|
| 清掃 | 表面に付着した汚れが主な問題 | 塗膜や外壁材の損傷は直らない |
| 局所的な補修・塗装 | 傷みが限られ、周囲を残せる | 補修跡や色の差が出ることがある |
| 一面の補修・塗装 | 特定の面の傷みや色の差が気になる | 塗らない面は従来の状態のまま |
| 全面の補修・塗装 | 複数の面に塗膜の劣化が進んでいる | 外壁材の交換が必要な傷みは別途対応 |
外壁材そのものを残せない場合は、この表の塗る範囲とは別に、取り替える範囲を決めます。
全面を塗装しても、傷んだ材料まで新品に戻るわけではありません。
何を直すのかを見失わないための区別です。
一か所の症状と家全体の状態を見る
気になる場所を近くで撮った写真だけでは、部分補修ですむかどうかは判断しにくいものです。
同じ面の離れた位置や、別の方角にも、似た傷みが出ていないかを確かめます。
物をぶつけた跡が一か所あるだけの場合と、触る場所の多くで粉が付く場合とでは、工事の考え方が変わります。
後のほうでは、目立つ一か所だけを塗っても、まわりの塗膜の傷みは進んだままです。
築年数だけで全面塗装を決めず、前回塗った時期、使った材料、今の表面の様子を合わせて見てください。

指先に白い粉が付いた外壁の状態
粉が付く現象(チョーキング)は点検の手がかりです。ただ、その写真一枚で、壁全体があと何年もつかがわかるわけではありません。
塗膜の傷みがその場所だけなのか、広い範囲に及んでいるのかを調べて、初めて補修する範囲の根拠になります。
部分補修のご相談で私が確かめたいのは、「どこを直したいか」に加えて「どのくらいまで見た目をそろえたいか」です。
この二つがわかると、必要な修理と仕上げのご希望を分けてご提案できます。
汚れなら清掃で済む場合がある
黒ずみや緑色の汚れを見つけても、それだけで塗り替えが必要とは限りません。
まずは、表面に付いたものを落とせるのか、塗った面そのものが傷んでいるのかを確かめましょう。
雨だれと塗膜の傷みを見分ける
窓の下や換気口の下に筋のような汚れがあれば、水が流れる位置と重なっているかを見ます。
汚れの筋があることと、壁の中に雨水が入っていることは、同じ意味ではありません。
表面がなめらかなまま汚れているのか、塗膜がふくらんで段差ができているのかで、確かめることも違ってきます。

外壁表面に付いた筋状の汚れ
ご自分でお手入れを試すなら、外壁材の取扱説明に沿って、地面から無理なく届く小さな範囲で行ってください。
色が布に移る、表面がはがれるなどの変化が出たら、こすり続けるのは避けたいところです。
落ちない汚れを削り落とそうとすると、もともと残せたはずの塗膜まで傷めてしまうおそれがあります。
掃除した後の見た目だけでなく、塗膜を傷めずに洗えたかどうかも見ておきたい点です。
カビや藻は再発の条件も考える
緑色や黒色の汚れは、色だけで種類を決めつけず、どこまで広がっているか、湿りやすい場所かも確かめます。
雨が当たりやすい場所や風が通りにくい場所では、落とした後も同じ環境が続くからです。
まわりの植木が外壁に触れているなら離す、雨樋から水があふれているなら雨樋を調べる、といった手も考えられます。
原因に関わる場所を見ずに、表面だけ白く塗っても、汚れがまた出てくるのを防げるとは限りません。

外壁に広がる緑色や黒色の汚れ
屋根材・外壁材メーカーのケイミューは、対象の外壁材のお手入れとして、やわらかい布などでの水洗いを案内しています。ふだんの掃除で高圧の水で洗うことは避けるよう、注意もしています。
また、藻やカビを落としても跡が残る場合があることや、漂白する働きのある薬剤が塗膜を傷めるおそれにも触れています。
汚れが薄くなることと、外壁を傷めずに洗えることは、別の話です。
家庭のお風呂用洗剤をそのまま外壁に使ったり、薬剤を濃くしたりせず、外壁材と洗剤の両方の使い方の条件を確かめておくと安心です。
塗装前の洗浄とは目的が違う
業者が塗り替えの前に行う高圧洗浄は、ふだんの掃除とは目的も条件も違います。
今の塗膜を残せるかを調べ、必要な補修と塗り直しをする計画の中で、洗い方を選んでいるのです。
写真で高圧洗浄をしているからといって、どの外壁も家庭用の洗浄機で洗えるわけではありません。

塗装工事で行う窓下の外壁洗浄
目地のすき間や傷んだ場所に強い水を当てれば、中に入ってしまうおそれがあります。
ご自宅の掃除と、工事前の下地処理(塗る前に塗る面を整える作業)を混ぜて考えないこと。表面を残すためのお手入れなのか、補修と塗装をともなう工事なのかを確かめてください。
部分補修で済む条件を確かめる
傷みが小さいことは、部分補修を考える理由の一つです。
それに加えて、まわりが元気かどうか、傷みが出た原因、外壁材の状態を確かめておく必要があります。
原因と範囲が限られているか
道具が当たった傷のように、できた理由がわかっていて、そのまわりにはがれや割れがなければ、補修する範囲をしぼりやすくなります。
一方、同じ場所を補修したのにまたふくらんだり、雨の後にまわりがぬれたままになったりするなら、原因を確かめる必要があります。
塗った面の外側から水が付いたのか、つなぎ目や部材の取り合い(部材同士がぶつかる部分)から水が回ったのかで、先に直す場所が変わってきます。
原因を残したまま塗り足せば、新しい塗膜にも同じ負担がかかってしまうでしょう。

玄関庇と外壁が接する部分
庇(ひさし)や窓まわりのように部材がくっついている場所では、壁の面だけでなく、つなぎ目も点検の対象になります。
見えている汚れや傷みの真上だけが原因とは限りません。写真に印を付けた範囲だけで工事を決めるのは早すぎます。
目地は塗料で埋めない
サイディングのつなぎ目にあるシーリング(すき間を埋めるゴムのような材料)は、壁の板そのものとは別の材料です。
板と板の間のクッションのような役目をしています。
シーリングが切れたり、外壁材から離れたりした場所に塗料を塗っても、シーリングの厚みやくっつきは取り戻せません。
古い材料を取り除く範囲や、新しい材料がくっつく面の下ごしらえも含めて、目地の直し方を考えます。
目地の打ち替え(古いシーリングを取り除いて詰め直すこと)の時期や、塗装との順番は、外壁塗装とコーキング(目地)の打ち替えでまとめています。

窓枠とサイディングの間にある目地
まわりの塗った面がよい状態なら、目地を直すために必ず外壁全体を塗るとは限りません。
ただし、シーリングの色、上から塗装を重ねる仕様かどうか、近くの目地の傷みも含めて判断する必要があります。
「目地だけ直せるか」と「目地を直せば雨漏りが止まるか」は、別の質問です。
雨漏りがあるなら、目地を補修する前に、部屋の中の症状と雨水の入り方を確かめてください。
塗装で残せない材料もある
外壁材の大きな欠け、反り、留め具の不具合がある場合は、表面の塗装より先に、その材料を残せるかどうかを調べます。
欠けた場所を厚く塗っても、外壁材の厚みや固定の状態は戻りません。
一部を張り替える場合も、同じ柄の製品が手に入るか、まわりを傷めずに取り外せるかで、工事の中身が変わります。
取り替えた一枚だけが目立つときは、交換と塗装を別々に見積もって、仕上げ方を考える流れになります。
材質による違いは、外壁材の種類別メンテナンスでもお話ししています。
落ちそうな破片や大きく浮いた外壁には近づかず、人が通る場所の安全をまず確保してください。
状態を確かめるために、脚立に上がって押したり、無理にはがしたりする必要はありません。
部分塗装で色の差が出る理由
補修した場所だけが明るく見えたり、見る角度によって光ったりすることがあります。
同じ色番号の塗料を使えば必ず境目が消える、というお約束はできません。
現在の壁は塗装時と同じ色ではない
外壁の色は、日差しや雨、汚れによって、塗ったときから少しずつ変わっていきます。
何年も着たジーンズが、新品と同じ色ではないのと同じです。
新しい塗料を当時の色番号で用意しても、今の壁とは差が出ることがあります。
北側と南側で見え方が違うなら、一つの色をつくって家のどこに塗ってもなじむ、とは限りません。
色合わせでは、補修する場所の近くで試し塗りをして乾かし、まわりとの違いを確かめることが大切です。
塗った直後のぬれた色だけで決めるのは、禁物です。
艶と凹凸も見え方を変える
色が近くても、補修した部分だけ艶が出たり、ローラーの模様が違ったりすると、境目がわかってしまいます。
表面の細かな凹凸に当たる光が変わるので、正面からは目立たなくても、斜めから見ると気になることがあります。
塗料の種類だけでなく、下地(したじ:塗る面そのもの)の吸い込み方、塗る量、道具なども仕上がりに関わってきます。

窓まわりの細部を小型ローラーで塗装
欠けを埋めた補修材の表面が平らなままだと、まわりの模様と違って見えるもの。
傷を直す工程とは別に、模様を近づける作業が入っているかを、見積もりのときに聞いておきましょう。
そうすれば、補修の後に初めて「色は合っているのに跡が見える」と気づく、ということを減らせます。
塗る境界を先に決める
色や艶の差を目立ちにくくするために、外壁の角や塗り分けの位置まで、塗る範囲を広げる方法があります。
一つの面の途中に新しい色と古い色の境目を置くより、もともと面が切り替わる場所で区切る、という考え方です。
それでも、別の面との色の差がなくなるとは限らず、塗る面積は増えます。
小さな傷の補修でよいのか、一面の見た目をそろえたいのか。工事の前に、写真や図面で範囲を示してもらうと安心です。
多色の外壁は単色とは違う
レンガ調や石目調の外壁は、一枚の中にいくつもの色と模様があります。そこに一色の塗料を載せると、その部分だけ模様が消えてしまいます。
透明なクリヤー塗料も、消えた模様や深い傷を描き戻せる材料ではありません。
今の模様を残したいなら、傷の補修跡がどこまで見えるかも含めて、対応できる仕上げを考える必要があります。
近くで見てもわからない仕上がりを望むのか、道路側から目立たなければよいのか。ご希望を伝えてください。
大切なのは、補修した後の壁を、ふだんどこから見るかという視点。
この希望をお互いに知っておくと、工事の範囲と費用を決める理由がはっきりします。
補修跡をどこまで目立たなくするかは、費用にも関わります。
雨を防ぐために必要な修理と、見た目のために広げる塗装を分けて説明してもらうと、納得して選びやすいですよ。
部分補修で済むかどうか、写真で確かめませんか
傷みの範囲と原因を資格者が確認し、部分補修と全面塗装のどちらが合うかをご説明します。
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部分補修の費用を比べる方法
部分補修は塗る面積を減らせます。けれども、費用が面積の割合どおりに小さくなるとは限りません。
現場への移動、材料の準備、養生(ようじょう:塗料が付かないよう覆って守ること)、足場など、小さな工事でも必要になる作業があるからです。
小さな傷でも足場が必要になる
一階の手が届く位置の傷と、二階の窓の上にある傷とでは、安全に作業するための設備が違います。
直す場所が手のひらほどの大きさでも、高い所に落ち着いて近づけなければ、工事はできません。
足場の範囲は、傷の大きさではなく、建物の形、通路、作業する位置などに合わせて決めます。

住宅の外周に設けた足場と飛散防止シート
そのため見積書では、補修と塗装の金額だけでなく、足場などの仮設工事の中身も見ておいてください。
「小さな補修だから足場代は要らないだろう」と考えていると、実際の見積もりとの違いに戸惑いやすくなります。
反対に、すでに予定している工事の足場を一緒に使えるなら、そのときに補修するのは理にかなっています。
ただし同時に工事する場合も、その足場から直す場所まで安全に届くかを確かめることが前提です。
見積書は工程ごとに読む
「部分補修一式」という金額だけでは、掃除と塗装だけなのか、傷んだ材料を取り除くところまで含むのかがわかりません。
直す位置、下地処理、使う材料、塗る範囲、足場と養生を、一つずつ照らし合わせて読むのが基本です。
| 費用の項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 調査・下地処理 | 原因確認と、残せない塗膜や材料の除去 |
| 補修 | 欠損の修理、目地補修、部材交換などの範囲 |
| 塗装 | 下塗りと仕上げの材料、塗る面積、模様の処理 |
| 仮設・養生 | 足場、飛散防止、窓や周囲の保護 |
| 片付け・廃材処分 | 撤去した材料の処理と完了後の清掃 |
合計が高い見積もりには一面の塗装が入っていて、安いほうは傷のまわりだけ、ということもあります。
その差は、同じ工事の単価の違いとは言えません。
比べる範囲をそろえてから、含まれる作業と仕上がりの違いを確かめましょう。
全面塗装と比べる際の目安
アップリメイクの料金プランでは、30坪程度の外壁塗装で、高耐久シリコンが税込638,000円〜を目安としています。
この金額には、足場組立、高圧洗浄、通常の下地処理、外壁塗装、軒裏天井・破風板・雨樋の塗装という、基本の7項目が含まれます。
これは部分補修の価格表ではありません。建物全体を考えるときに、比べるための目安です。
シーリング工事や大きなひび割れの補修、外壁材の交換などは追加費用になります。この金額ですべてに対応できるという意味ではありません。
実際の料金は、現地調査で面積と傷みを確かめた後のお見積もりになります。
「家全体の十分の一の面積だから、料金も十分の一」という計算はできません。
足場や準備にかかる費用も含めて、部分補修の案と全面塗装の案を、同じ条件で比べる必要があります。
なお、坪数は塗る外壁の面積そのものではありません。
同じ30坪でも、建物の形や窓の数によって塗る面積が変わります。坪数だけで最終的な金額を決めないようにしてください。
次の工事との重複も比べる
近いうちに外壁全体を塗る予定があるなら、今回の補修をその計画に入れられないか考えます。
短い間に足場を二度組むと、そのぶんの費用や暮らしへの影響が重なるからです。
ただし、雨水が入っている傷みや、物が落ちる危険がある傷みまで、全面塗装の時期に合わせて待つことはできません。
急いで行う修理と、後の工事にまとめられる見た目のための塗装とを、分ける方法もあります。
比べたいのは、今回の費用だけでなく、次の塗り替えまでに必要になる工事を含めた全体の負担です。
実際の補修は下地から進める
部分補修でも、塗装に必要な下地処理を省けるわけではありません。
工事の面積が小さいことと、工程が少なくてよいことは、別の話です。
残す部分と除く部分を決める
はがれた場所の縁が浮いていれば、その上に塗っても、浮いた古い塗膜と一緒に新しい塗膜まではがれるおそれがあります。
工事のときには、残せる塗膜と取り除く塗膜を確かめて、必要な範囲の下地処理を行います。
見えていた傷より、補修する面積が広がることがあるのはこのためです。
はがれやふくらみが起こる原因と補修の考え方は、外壁塗装の剥がれ・浮き・膨れの原因と補修判断で解説しています。
調べた時点で広がるかもしれないとわかっているなら、追加の費用がかかる条件と、作業を進める前の連絡の仕方を決めておきましょう。
「小さい範囲で頼んだのに、広くはがされた」という行き違いを減らせます。
補修材の乾燥と塗料の相性を守る
欠けを埋めた補修材や、洗った後の下地は、次に塗れる状態になるまで待つ必要があります。
表面だけ乾いたように見えても、中の水分や材料の固まり具合が十分とは限りません。
下塗り(外壁と仕上げの塗料をくっつける、接着剤の役目の最初の塗装)も、外壁材、残した古い塗膜、補修材に合うものを選びます。
塗る回数や間隔は、使う材料の仕様に沿って決めるものです。傷が小さければ仕上げの塗料を一度塗るだけでよい、とは言えません。

サイディングの面をローラーで塗装
短い時間で見た目を整えることより、補修した下地を塗れる状態にすることが先です。
工期を聞くときは、作業する時間だけでなく、乾いたり固まったりするのを待つ時間も含めて確かめておくと安心です。
完了時は色以外も確認する
工事が終わったら、約束した範囲が施工されているか、直した位置がわかる写真が残っているかを確かめます。
見た目は、乾いた後に、ふだんその壁を見る位置から確かめるのがおすすめです。

凹凸模様を残して塗装したサイディング
小さな補修でも、使った塗料の名前や色番号を記録しておけば、次の塗り替えのときに、前の工事の中身を説明できます。
保証で確かめたいのは、今回直した場所と工事の中身が、どこまで対象になるかです。
一部分を直した工事が、手を付けていない外壁全体まで保証するものではありません。
部分補修の記録は、次の工事にも役立ちます。
塗料の名前だけでなく、どの位置を何の材料で直したかが残っていると、同じ場所に変化が出たときにも確かめやすくなります。
タッチペンで直す前に確認する
市販のタッチペンや少量の塗料は、手軽に色を付けられます。その反面、どの外壁にも使える道具ではありません。
小さな傷だからこそ、塗る前に製品と補修の目的を確かめておきたいところです。
同じ色でも適合するとは限らない
補修用の塗料は、色だけでなく、塗る材料や今の仕上げと相性がよいかを確かめる必要があります。
車用や家具用のタッチペンで近い色が見つかっても、それが外壁に使えるという根拠にはなりません。
外壁メーカーの補修用塗料も、決められた小さな傷の補修と、一面を塗り替える工事とでは、使い方が違います。
製品名がわからないまま広く塗り足すより、建てたときの仕様書や前回の塗装の資料から確かめるほうが確実です。
余った塗料があっても、保管の状態や使える期間、二液形(二つの液を混ぜて使う塗料)なら硬化剤の扱いを確かめなければ使えません。
自分で行う前に記録を残す
工事をしてからまだ間もない傷みなら、自分で塗る前に施工会社へ連絡してください。
上から別の塗料を塗ると、元の状態や傷みの範囲がわかりにくくなるからです。
撮っておきたいのは、位置がわかる引いた写真と、症状がわかる近い写真。
見つけた日、広がっているか、雨の後に変わるかも書き添えると、点検の相談に役立ちます。
高い場所を撮るために登る必要はありません。地面から見える範囲で十分です。
塗膜を引っぱる、割れに工具を差し込むなど、状態を変えてしまう確かめ方は避けましょう。
相談時には残したい範囲も伝える
部分補修を希望するときは、予算だけでなく、「今の色を残したい」「数年後に全面塗装を考えている」といった予定も伝えてください。
業者から全面塗装をすすめられたら、その理由がまわりの傷みなのか、色をそろえるためなのかを聞くと、決めやすくなります。
逆に、部分補修でよいという提案なら、今回手を付けない場所をどう見守っていくのかも聞いておきたい点です。
見積もりの相談に役立つのは、直したい場所、前回の工事の資料、これからの予定の三つ。
これがそろえば、ただ工事を小さくするのではなく、今必要な作業に予算を回しやすくなります。
部分補修で十分なところまで、広く塗る必要はありません。
一方で、直したい場所のまわりに問題があるなら、その理由と、放っておいた場合の影響を聞いてから範囲を決めてください。
外壁の部分補修でよくある質問
部分補修を選ぶときに迷いやすい、費用と仕上がりの疑問にお答えします。
Q1. 外壁一面だけ塗れますか?
A. ほかの面を残せる状態なら、一面だけを塗る方法も考えられます。
塗らない面との色の差、足場の範囲、ほかの面の次のお手入れも含めて判断しましょう。
その一面の傷みが雨漏りなどに関わっている場合は、塗る範囲を決める前に、原因を確かめる必要があります。
Q2. 部分補修なら安くなりますか?
A. 工事の範囲を減らせるぶん、費用を抑えられる場合があります。
ただし、足場や材料の準備などは小さな工事でも必要なので、面積の割合だけでは計算できません。
その場所だけの補修と一面の塗装、両方の案を出してもらい、修理の中身と仕上がりの差を比べてください。
Q3. 同じ塗料なら色は合いますか?
A. 同じ塗料と色番号でも、今の壁が色あせたり汚れたりしていれば、差が出ます。
艶や表面の模様も関わるので、乾いた試し塗りをまわりと比べることが大切です。
必要に応じて角や塗り分けの位置まで塗る範囲を広げますが、その前に仕上がりのご希望と予算をお互いに確かめておきましょう。
Q4. カビを落とせば塗装は不要?
A. 表面の汚れがおもな問題で、塗膜と外壁材がよい状態なら、掃除で様子を見る場合があります。
はがれや割れがあるときは、汚れが落ちても傷みは残ります。
汚れがまた出やすい水の流れや湿り方も調べて、掃除と補修のどちらが必要かを判断してください。
部分補修は原因と仕上げで選ぶ
外壁の部分補修は、傷みが限られていて、まわりを残せる場合に役立つ方法です。
掃除ですむ汚れ、目地や材料の修理、色をそろえるための塗装。この三つを分けて考えると、必要な工事の範囲が見えてきます。
小さく直すことだけを目標にせず、原因への手当てと、補修した後の見た目の両方を確かめることが大切です。
アップリメイクでは、外壁の状態を確かめたうえで、部分補修、一面の塗装、全面塗装のどれが合っているかをご提案します。
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