こんにちは。アップリメイクの齋藤直樹です。
今回は、静岡市駿河区のO様所有アパートで行った外壁・屋根塗装をご紹介します。外壁は既存の模様を生かすUVプロテクトクリヤー、屋根はサーモアイSiで仕上げました。外壁の一部に苔による変色があり、階段鉄部には錆が目立っていた建物です。シーリングの打ち替え、共用通路の塗装、雨樋バンドとベントキャップの交換も行い、広い外壁面から共用部の細かな部材まで手を入れました。
O様所有アパートの施工概要
外壁はクリヤー塗装3回、屋根は4回塗りで施工しました。付帯部にはフッ素樹脂塗料を使用しています。塗装で表面を整える部分と、傷んだ部材そのものを交換する部分がある工事です。階段鉄部は錆への下地処理、外壁の継ぎ目はシーリング工事、通路は床面の塗装というように、それぞれの状態に合わせて進めました。

外壁の苔と屋根の退色、階段の錆が見られた施工前
施工前の外壁は艶が少なく、一部は苔で緑色に変色していました。屋根にも汚れと退色があり、外壁とは違う傷み方をしています。クリヤー塗装は透明な塗膜を重ねるため、色付きの塗料で汚れを隠す仕上げにはなりません。残したい壁の模様と、取り除くべき付着物を分けて考え、塗る前の面を整えることが特に重要です。
破風には色むらがあり、階段鉄部には錆が目立ちました。共用通路の床面も塗り替えの対象になっています。鉄部の錆は単なる色の変化とは異なり、金属の腐食です。表面を色で覆うだけでは、残った錆が下で進行するおそれがあります。鉄部ではケレンと錆止めを行い、塗装を受ける状態から整える必要があります。
雨樋には劣化があり、分電盤は塗装、ベントキャップは交換を行いました。付帯部は小さくても、雨水を流す、設備の開口部を覆うといった役割を持つ部材です。表面の色褪せに対応する塗装と、部材の取り替えでは対処できる範囲が違います。外壁をきれいに仕上げる工事の中でも、各部を同じ扱いにしないことが大切です。
バイオ洗浄と高圧洗浄で塗装前の付着物を落とす
足場を組み、屋根と外壁にバイオ洗浄と高圧洗浄を行いました。汚れが残った表面では、塗料が建材に直接密着できない部分ができます。特に今回の外壁は既存の模様を見せる仕上げのため、洗浄は付着性だけでなく、完成後の見え方にも関係する工程です。塗り替えの前に、苔や汚れが付いた状態を整えてから次の作業へ進めています。
硬く傷んだシーリングと雨樋の固定部を更新する
既存のシーリングは黒ずみが強く、硬くなっていました。傷んだ材料を撤去し、プライマーを塗ってから変成シリコンを充填しています。シーリングは外壁材の継ぎ目で水の侵入を抑え、部材の動きに追従する役割があります。柔軟性を失ったままにすると、材料が切れたり接着面から離れたりして隙間につながることがあります。塗装だけでは埋めきれない継ぎ目を別工程で整えました。
プライマーはシーリング材の接着を助けます。充填量だけを増やしても、接する面にしっかり付いていなければ継ぎ目の端から剥がれるおそれがあります。O様所有アパートでは既存材の撤去後にプライマーを施工し、外壁の色に合わせたシーリングで仕上げました。透明な外壁塗装では継ぎ目の色も見え方に関わるため、面の模様と合わせて整えています。
雨樋を固定するバンドは、もろくなっていたため交換しました。バンドは樋本体を建物側に支える部材で、外側の色だけを塗り直しても、傷んだ固定部の状態が元に戻るわけではありません。固定する部材が弱くなると樋の位置がずれたり、支持が不安定になったりするおそれがあります。今回は樋本体の塗装とは別に、バンドを新しくしています。
屋根の下塗りと排水の隙間を確保してから上塗り
屋根には下塗り用のシーラーとサーモアイSiを使用し、タスペーサーも取り付けました。下塗り、上塗り、屋根材の重なり部分への処置は、それぞれ目的が異なります。下塗りは屋根材と仕上げ塗料の間をつなぎ、上塗りは表面に露出する塗膜をつくります。さらに屋根材の重なりには、水を外へ逃がすための隙間が必要です。
屋根のシーラーは2回塗布し、透明の下塗りから白い下塗りへと工程を進めました。下塗りの層を設けてから、仕上げの塗料を重ねる構成です。下塗りを省くと、仕上げ塗料だけでは下地への密着や塗膜の形成が不安定になるおそれがあります。今回の4回塗りは、下塗り2回と上塗り2回を積み重ねたものです。
タスペーサーを取り付けてから上塗りを進めました。スレート屋根の重なり部分が塗料で塞がれると、入った水を排出しにくくなり、下地側に水が滞留するおそれがあります。隙間を残す処置は、塗り残しではなく排水のための工程です。表面を覆う塗装と、重なりに必要な水の出口を確保する作業を両立させています。
軒天は1回目、2回目と塗装を重ねました。軒天は外壁や屋根とは面の向きが異なり、軒下の見え方を整える部分です。屋根の塗装が進んでも軒裏の汚れが残ると、建物の下から見た印象には傷みが残ります。今回は軒天も白い仕上がりに整え、外壁や破風と接する部分まで塗り替えました。
模様を残すクリヤー塗装と雨樋の仕上げ
外壁はUVプロテクトクリヤーを3回塗りしました。透明な塗膜のため、既存の柄を塗りつぶさずに外壁表面を覆うことができます。色や模様の印象を保ちながら、表面に新しい保護層をつくる仕上げです。柄を残す仕上げだからこそ、洗浄で整えた面に順に塗装し、外壁全体の艶を整えました。
クリヤー塗装は、色付き塗料のように下地の色を覆い隠す方法ではありません。模様を生かせることが利点ですが、残っている傷や変色まで一律に見えなくするものでもありません。今回のように意匠を残して塗り替える場合は、仕上げ方の選択と塗装前の表面づくりがつながっています。雨樋は中塗りから上塗りを行い、黒い艶のある外観に仕上げました。
階段鉄部のケレンと錆止め、共用通路の塗装
階段鉄部はケレン清掃を行い、白い錆止めを塗布しました。ケレンは錆や傷んだ塗膜を除き、次の塗料を付着させる面を整える作業です。錆の上に仕上げ塗料だけを重ねると、残った錆や浮いた層から塗膜が剥がれるおそれがあります。錆止めが金属面を保護する役割を果たせるよう、先に表面を処置しています。
錆止めの上には淡い茶系の仕上げ塗料を重ねました。下塗りの白と完成色が異なるように、下に隠れる層にも役割があります。鉄部の塗り替えでは、錆が目立たなくなった見た目と、その下に必要な処置を行ったかの両方が重要です。塗装は金属表面を覆う工事であり、腐食で失われた金属の厚みを補うものではありません。
共用通路はプライマーを塗り、グレーのトップを2回施工しました。床面の塗装でも、下地と仕上げ材を接着させる工程を設けています。トップは表面に露出する層で、日常の通行や外部環境に接する部分です。表面の塗り替えを適切に行うことは、その下にある層を直接さらさないためにも意味があります。
2回目のトップまで塗り終え、共用通路を明るいグレーで揃えました。表面が擦れたり傷んだりした場合、トップの更新で対応できる範囲と、下地から補修が必要な範囲は異なります。今回行ったのはプライマーとトップによる床面の塗装です。仕上がりの色だけでなく、どの層を塗り替えた工事かを踏まえて維持していくことが大切になります。
外壁の模様を保ち、屋根と共用部まで仕上げた完成後
完成後の外壁は元の模様を残しながら艶のある仕上がりになり、屋根は茶系の塗膜で整いました。破風は色むらが目立っていた状態から揃った外観となり、軒天も白く仕上がっています。大きく色を変更することだけが塗り替えではなく、今回の外壁のように意匠を引き継ぐ方法もあります。






階段鉄部、共用通路、雨樋、分電盤も塗装を終え、ベントキャップを新しくしました。表面の塗り替え、継ぎ目の打ち替え、固定部材の交換を組み合わせ、建物の各部に対応した工事です。外壁の苔や階段の錆など、建物の傷みが気になる方は、無料の屋根・外壁診断をご利用ください。
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