外壁塗装は基本3回塗り!2回塗りは手抜き?塗り回数の違いを解説

新築してからしばらく経つと、外壁の塗り替えのメンテナンスをする時期がやってきます。外壁塗装工事を検討する中で、外壁塗装は3回塗りを行うと耳にしたことがある人もいるかもしれません。外壁塗装の3回塗りは、どうして必要なのか疑問に思う人もいるでしょう。

 

そこで今回は、外壁塗装の3回塗りの工程と役割について詳しく解説します。塗装回数を省く悪徳業者を選ばないための対策方法も紹介しますので、ぜひご覧ください。

外壁塗装は2回塗りではなく3回塗りが基本な理由


基本的に外壁塗装は3回塗りを行います。外壁も2回塗り用の特殊な塗料を使用すれば2回で済むこともありますが、工期が限られている、長時間作業が難しいなどの理由がない限りは2回塗りでは施工しません。

 

3回塗りのうち、1回目は塗料を定着させるための下塗りであるため、1回で塗装作業が終わることもないでしょう。もし、施工業者から1回塗りを提案された場合は、手抜き工事である可能性があるため注意しなければなりません。

 

また、下塗りを乾燥させる時間をしっかりと取ることも重要です。下塗り塗料が十分に乾いていなければ、上塗り塗料を塗っても数年後に剥がれや寿命の低下、ヒビ割れなど施工不良が起きてしまいます。

 

1回塗るたびに乾燥させる時間を設けるため、3回塗りでは最低でも6日間かかります。1日に3度塗りを終える業者は、手抜き工事だと考えてよいでしょう。

 

特に、塗料の希釈率を守らない業者にも注意が必要です。外壁の塗料は、水性塗料は水を、油性塗料はシンナーを希釈させて使用します。薄めすぎた塗料で外壁塗装を行うと、耐久性が落ちてしまうでしょう。

 

外壁の塗料は、メーカーによって塗料の希釈率が定められ、塗料そのものの性能を十分に発揮できるようになっています。例えば、10年の耐久年数を謳う塗料でも、希釈率を守らなければ3年や5年で劣化してしまうこともあるため注意が必要です。

 

外壁塗料の耐久性能を保つためにも、塗装工事の塗り回数と希釈率は重要です。

外壁塗装の3回塗りの工程

外壁塗装では、足場を組み立てたあと外壁の洗浄と下地の調整作業を終えると、塗装作業に移ります。塗装作業には、下塗り・中塗り・上塗りの工程があります。どの工程も外壁塗装には欠かせない重要な作業です。

 

では、それぞれどんな役割があり、工事はどのように進むのでしょうか。ここでは、外壁塗装の3回塗りの工程を詳しく紹介します。

下塗り

外壁塗装の下塗り工程では、下地調整と下塗り剤の塗装を行います。外壁材の劣化を補修しながら、中塗りと上塗りの塗料を外壁に定着させるために行う重要な作業です。

 

下塗り用の塗料は、シーラーやプライマーなどと呼ばれます。下塗りが担うのは、中塗り・上塗りで形成する塗膜と外壁材の間を密着させる接着剤の役割です。

 

下塗り用の塗料の種類は、外壁の材質や劣化状況によって使用する種類が異なります。例えば、モルタルなどのひび割れが起きやすい外壁材では、微弾性フィラーが使われることが多いです。弾性力があり、凹凸をしっかりと保護するためです。また、上塗りの塗料によって下塗り剤が決められていることもあります。

 

外壁塗装の塗膜が本来の耐久性を備えられるようにするためにも、下塗りの作業をしっかりと行うことが大切です。

外壁塗装の下塗りについて詳しく確認する


中塗りと上塗り

下塗りが終わると、次に行うのは中塗りと上塗り作業です。中塗りと上塗りで形成する塗膜は、外壁を雨風から守り、建物全体の美観を保つ重要な役割を担います。

 

一般的に、中塗りと上塗りに使われるのはシリコン塗料やウレタン塗料、フッ素塗料などの塗料です。また、中塗りと上塗りは一般的に同じ塗料が使われます。塗料の種類によって価格や耐用年数や効果は多岐に渡り、現在の外壁が何かによっても適切な塗料は異なります。

 

下塗りの後に中塗りしか行わないと塗装のムラや気泡が発生してしまうため、中塗りだけで塗装工事を終わらせるわけにはいきません。重ねて塗ることで塗膜の均一性が保たれ、見た目も美しくなるでしょう。

 

また、中塗りだけでは外壁を保護する塗膜の性能が保たれない恐れがあります。外壁塗装の塗料は、重ね塗りすることで雨風や紫外線にさらされる環境でも、耐えられるようになります。

外壁塗装は塗り回数で品質と耐久性が変わる

外壁塗装は、塗る回数で品質と耐久性が変わります。塗料には、それぞれ適切な塗装の塗膜の厚さが必要です。外壁塗装の品質を担保するために、塗り回数を守らなければなりません。塗り回数を着実に守らなければ、塗料が本来の耐久年数を維持できないこともあるでしょう。

 

悪徳業者は、3度塗りが必要な塗料で2度塗りしか行わない場合に、中塗りを省きます。しかし、メーカーの規定で3回塗りと定められており耐用年数が10年の塗料だった場合、2度塗りにしてしまうと5年ほど短くなってしまう恐れがあります。

 

また、外壁の塗料は、一度で厚塗りすると施工不良を起こしかねません。厚塗りは塗料が乾燥したときに、ピンホールと呼ばれる小さな穴が発生してしまうためです。できた穴から外壁内部に雨や風が侵入すると、さらに外壁の劣化は早まります。

 

外壁の塗装回数を守ることは、本来の外壁の性能を確保するためには重要です。

 

外壁塗装の耐用年数について詳しく確認する

 

外壁塗装で3回塗りではないパターン

ここまで3回塗りが外壁塗装の基本だとお伝えしてきましたが、塗料の種類や下地の状態によっては3回塗りを行わないこともあります。では、どのような状況が3回塗り意外に当てはまるのでしょうか。ここでは、3回塗りではない2つのパターンを紹介します。

下塗り不要の塗料使用なら2回塗り

外壁塗装で3回塗りではないときに考えられるのは、塗装回数の少ない特殊な塗料を使っているケースです。塗料製品の技術進歩により、「下塗り不要」「中塗り不要」の塗料製品が登場しています。

 

<下塗り不要の塗料で外壁塗装をする場合>

  • 中塗り1上塗り1=合計2

 

<中塗り不要の塗料で外壁塗装をする場合>

  • 下塗り1上塗り1=合計2

 

使用する塗料の塗り回数は、カタログやメーカーのホームページで調べられます。しかし、下塗り不要の塗料製品の数は非常に少ないのが現状です。

 

そのため、「外壁材の素材がいいから2回塗りをする」「メーカーのグレードがいいから2回塗りで問題ない」などと言われたら、手抜き工事である恐れがあるため注意しましょう。

下地の状態が悪ければ4回塗り以上も

外壁塗装では、下地の劣化が進んでいれば4回塗り以上になることがあります。これは、下塗りの回数が2回に増えるためです。下塗りを2回以上塗る場合は、以下の流れで進みます。

 

  • 下塗り(2回以上)中塗り(1回)上塗り(1回)=4

 

外壁材の劣化状況が進んでいれば、下塗りが1回だけでは、中塗りと上塗りの塗料がうまく外壁に密着しないことがあります。下塗りの回数は、塗装職人が現在の外壁の状態をみながら判断します。

 

例えば、外壁の劣化が激しいと4度塗りや5度塗りをすることもあります。その分、工事費用が高額になることもあると点は頭に入れておきましょう。

外壁塗装の塗り回数に関するポイント

外壁塗装の塗り回数は、塗装工事を行う前や、見積書の段階で確認することも可能です。残念ながら、中には悪徳業者がいて外壁塗装の塗り回数を守らない業者も存在します。

 

ここでは、外壁塗装の塗り回数について、手抜き工事を防止するための確認方法を解説します。

契約前に塗り回数を業者に確認

適切な塗り回数で工事を行うためには、外壁塗装の契約前に、「塗り回数は何回を予定しているか」を業者に確認しましょう。外壁塗装業者とは、契約する前に現場調査や見積書提出で打ち合わせを行います。

 

業者が「2度塗り」や「4度塗り」と答えた場合は、その理由を聞くことも大切です。見積書に塗料の名前が記載されている場合は、メーカーのホームページなどで塗装回数が確認できることもあります。

 

しかし、見積書は専門用語などで書かれていることが多く、業界に精通する人でない限り正確に読み取るのは難しいものです。見積書を受け取ったら、わからないことは質問して業者に説明を求めましょう。質問の受け答えなどを通して、信頼できる業者かどうかを見極めることも大切です。

 

業者の選び方のポイントをもっと詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

 

外壁塗装の業者について詳しく確認する

 

見積書の塗料代と塗装工事費の内訳で確認

外壁の塗り回数は、見積書の塗料代と塗装工事費の内訳で判別できる場合があります。使用塗料に下塗り塗料、上塗り塗料の記載があるかを確認しましょう。

 

見積書の工事費の内訳に、「下塗り・中塗り・上塗り」と書かれていたり、「下塗り(1回)」などと回数が記入されていたりする場合は、3回塗りの予定だと考えられます。反対に、見積書に「中塗り・上塗り」などとしか書かれていない場合は、塗る回数を確認しましょう。

 

外壁塗装の見積書のポイントを詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

外壁塗装の見積もりについて詳しく確認する

 

工事工程表で塗り回数を確認

外壁塗装が3回塗りで行われるかは、工事工程表で確認できることがあります。工事工程表とは、どの工事がいつ行われるのかを記載した、日付入りのスケジュール表のことです。

 

工程表の項目に「下塗り」「中塗り」「上塗り」という記載があれば、3回塗りが行われることがわかります。

 

また、塗装作業が12日程度と短い場合には注意が必要です。2回塗りや手抜き工事が行われる可能性があります。不審に思う点や、工程表の見方で不明なことがあれば、塗装業者に確認しましょう。

 

外壁塗装の工程について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

外壁塗装の工程について詳しく確認する

 

作業を自分の目で確認する

 塗装業者が塗り回数を省いた手抜き工事を防ぐためには、作業を自分の目で確認するのが確実な方法です。

 

下塗り・中塗り・上塗りの作業をご自身の目で観察しましょう。しかし、仕事やプライベートの予定があり、塗装業者が作業している間に不在にすることもあるかもしれません。そんなときは、工事中に在宅している家族にチェックしてもらうのも1つの方法です。

 

また、作業を観察できる人がいるなら、工程ごとに写真を撮ってもらうという方法もおすすめします。それぞれの工程の写真を確認することで、適切な工事が行われているかどうかの判断ができるでしょう。

 

塗り回数に関する外壁塗装のトラブル対処法

工事が始まる前に、塗り回数に関して十分注意していても、トラブルが発生することもあります。「塗装工事中に、塗り回数が守られていないかもしれない」「塗装工事してすぐに、塗料が剥がれてしまった」などの不具合が発生した場合は、すぐに業者に連絡しましょう。

 

塗装工事を終えてから、時間が経てば経つほど解決するのが難しくなる傾向にあります。疑問に思うことがあれば、すぐに塗装職人や現場管理者、または営業担当者に相談しましょう。

 

もし、施工業者に直接相談しても解決しない場合は、第三者機関に相談するのも1つの方法です。塗装工事でのトラブルは、以下の2つの機関に相談可能です。

 

  • ・消費者生活センター
  • ・公共財団法人の住宅リフォーム・紛争処理支援センター「住まいるダイヤル」

 

外壁塗装でよくあるトラブルの事例を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

 

外壁塗装のトラブルについて確認する

 

まとめ

外壁塗装は、3回塗りを行うのが基本です。塗料が本来持つ性能を確保するために下塗り・中塗り・上塗りを行います。

 

外壁塗装業者の中には、工期が短く中塗りを行わないなど、手抜き工事を行う業者も存在するため、契約前に塗り回数を確認することが大切です。

 

アップリメイクでは、下塗りを2回、上塗りを2回行い、合計4回行うのが標準仕様です。上塗りを2回行うことで、強固な皮膜を形成しやすく、仕上がりのムラが起こりにくくなります。また、下塗りを2回行うことで、既存の塗膜との密着が高まり、塗料の発色もよくなります。

 

 

アップリメイクの塗装方法については、こちらのページで詳しく説明しています。

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